本文へ移動
一般社団法人 日本エネルギー学会
〒101-0021
東京都千代田区外神田6-16-9 
外神田千代田ビル4階
TEL.03-3834-6456
FAX.03-3834-6458
URL.http:www.jie.or.jp

バイオマス関連行事報告

第13回バイオマス科学会議

2018-01-17
第13回バイオマス科学会議(CBS13)が2018年1月17日~19に東北大学で開催されました。例年通り、5つの口頭発表セッションで23件の口頭発表があり、2つのポスターセッションで58件のポスター発表がありました。また、パネル討論会が行われました。口頭発表23件を以下に紹介させていただきます。/matsumura


第1日目 2018 年 1 月 17 日(水)

【口頭セッション 1】
座⾧: 坂西欣也(産総研)
O-01 燃焼炉内空気の滞留時間の変化による籾殻の燃焼特性
(筑波大 1,農研機構 2)〇岩井一馬 1,安久絵里子 1,野口良造 1,日高靖之 2,野田崇啓 2
籾殻の燃焼を制御して残った灰も有効利用する検討。炉で400, 600, 800 ℃で供給空気速度を変えて燃焼。

O-02 木質バイオマスガス化速度の定式化と諸因子の影響
(成蹊大)〇周 祐梨, 林 貴志,大橋千尋,伊藤拓哉,菅原一輝,鈴木誠一,加藤茂,小島紀
バイオマスを乾留して得られたたーるやチャーをガス化する乾留ガス化を流動層用いて実施。乾留時間、温度を変えて特性を確認。

O-03 木質バイオマスとプラスチックの共熱分解
(東北大)〇熊谷将吾,藤田航平,高橋佑輔,亀田知人,齋藤優子,吉岡敏明
バイオマスとプラスチックの複合材料を強熱分解して有効利用する検討。ブナとポリエチレンを250 μm以下に粉砕、混合後、10 ℃/minで600 ℃に昇温。

O-04 スギの低温改質時副生タールからの効率的ジテルペン類回収
(産総研)〇小木知子,中西正和
300~450 ℃でスギを半炭化したときに生成するタール中にジテルペンなどが存在することから、これを回収するためにタールを温水処理・熱処理するもの。

O-05 ダイレクトカーボン燃料電池におけるチャーの直接発電プロセス
(東工大)〇渡部弘達,島田敬士,花村克悟
チャーを直接燃料とするダイレクトカーボン燃料電池を検討。特にアノードでのチャーの酸化を観察。金電極を利用。炭素分率を1, 3, 5 %としてアノード特性を測定。


【口頭セッション 2】
座⾧: 古林敬顕(東北大)
O-06 バイオマス発電燃料の持続可能性基準に関する一考察
(バイオマス産業社会ネットワーク)〇泊 みゆき
FITの申請と認定が多く、PKSやパーム油が多いことから、持続可能性基準を議論する必要があると。当面、認証を適用しつつ、持続可能性基準を検討・策定することが考えられると。

O-07 林地残材収集運搬の単位量あたり経費と環境負荷算定の定式化と優位性比較の試算
(高知大)〇鈴木保志
大規模輸送、小規模輸送で、分散土場と集中土場から材木を集めるにあたり、分散土場の方が経済的であることもある。どの距離で切り替わるかを検討。

O-08 木質バイオマス利活用促進に伴う上流から下流までの炭素蓄積に関するシミュレーション
(国立環境研)〇大場 真,藤井 実,戸川卓哉,中村省吾,根本和宜,Dou Yi,辻 岳史
バイオマスの取り出しが生態系に影響与えるので、実質炭素蓄積速度を考え、統合モデルBaIMで最大値を議論。

O-09 栃木県の新規木質バイオマス発電所における未利用材調達の可能性
(宇都宮大 1,信州大 2)〇山本嵩久 1,有賀一広 1,白澤紘明 2
FITで木材需要が増大していることを受け、長期的に持続可能な木材が得られるかを検討。


第2日目 2018 年 1 月 18 日(木)

【口頭セッション 3】
座⾧: 渡邉 賢(東北大)
O-10 活性炭を利用した焼酎残渣の超臨界水ガス化における酢酸濃度の影
 (中国電力 1,広島大 2,東洋高圧 3,復建調査設計 4,中電プラント 5)
 〇和田泰孝 1,大内 優 1,谷川博昭 1,松村幸彦 2,野口琢史 3,井上陽仁 4,川井良文 5
超臨界水ガス化の触媒に活性炭を用い、タール生成を制御するために酢酸を添加。1 t/dのパイロットプラントを用いて、熱交換器の差圧で議論。

O-11 下水汚泥から水素を直接製造する技術に関する研究
 (東北大 1,カーボンフリーネットワーク 2,大和三光製作所 3,弘前市 4)
 加納純也 1,申谷雄太 2,〇登家章司 3,⾧尾 剛 4
水素社会の実現を目指して、集約されたバイオマスである下水汚泥を原料とし、銅、ニッケルを添加して熱分解を行う。2 gの試料を50 ℃/minで600 ℃まで昇温、1 h処理。水滴は10 sに1滴添加。

O-12 Formic acid decomposition for hydrogen production over molybdenum carbide prepared by using lignin as the carbon source
 (弘前大 1,青森県産技センター2)〇Irwan Kurnia1,吉田曉弘 1,于 涛 1,阿布里 提 1,葛西 裕 2,官 国清 1
リグニンを用いてMoC触媒を合成し、これを触媒にしてギ酸を分解して水素を得る検討。水素をギ酸(液体)の形で貯蔵する意味を持たせる。

O-13 接触分解を用いた油脂からの炭化水素製造
 (信州大 1,ユーグレナ 2,千代田化工 3)〇嶋田五百里 1,太田晴久 2,鈴木健吾 2,高塚 透 3
油脂を接触分解して水として脱酸素する検討。水素はアルキル基のものを使い、不飽和結合を得る。470 ℃でトリグリセリドやワックスエステルを処理。

O-14 微細藻類 C. Vulgaris の in-situ トランスエステル化 ―酸・塩基触媒の効率評価ならびに生成エステル中のアルキル基分布―
 (ペトロナス工大・CBBR)Tien Thanh Nguyen,〇上村芳三,Man Kee Lam,Nurlidia Mansor
微細藻類をそのままメタノール中で反応させ、バイオディーゼルを得る検討。クロレラを用い、メタノール中に硫酸、水酸化カリウムを添加。水酸化カリウムではケン化のため最適濃度あり。


【口頭セッション 4】
座⾧: 野中 寛(三重大)
O-15 プロセスシミュレーションによるリグニンから 1,3-ブタジエン合成プロセスの比較検討
(産総研)〇花岡寿明,藤本真司,吉田 勝
リグニンの利用用途の拡大のために1.3-ブタジエンを製造することとし、ガス化-DME合成-n-ブタン合成-異性化脱水素、ガス化-メタノール合成- n-ブタン合成-異性化脱水素、ガス化-n-ブタン直接合成-異性化脱水素の3プロセスを比較。

O-16 セルロースナノファイバーの還元性および熱分解特性の解析
(愛媛大)〇秀野晃大
CNFの調整中に還元末端が増えるとし、この熱分解の影響を確認する。BCA法で還元性を測定。熱分解が速くなる。

O-17 多様なセルロース系廃棄物に対応可能なエタノール製造プロセスの単位操作組合せ検討
(Biomaterial in Tokyo1,三友プラントサービス 2)〇佐賀清崇 1,吉田浩爾 1,松永尚之 1,鈴木伸一 1,西島拓人 1,杉本直久 1,小林洋介 1,石倉喜郎 1,泉可也 1,荒井進 2,山田憲治 2,金松雅俊 2,今井史規 2
地域のセルロース廃棄物を用い、蒸気爆砕、酵素糖化してエタノール発酵。自家酵素カクテルをと購入酵素を比較。C5発酵の有無、排水処理の委託か自前処理かも比較。

O-18 One-pot synthesis of Sn/β-Zeolite via immobilization of SnCl2/ChCl on β-zeolite
(弘前大)〇Asep Bayu,吉田曉弘,Surachai Karnjanakom,阿布里 提,官 国清
糖の異性化のために用いるSn/β-ゼオライト触媒をワンポットで市販ゼオライトから生成する検討。塩化コリンにSnCl2を溶解した液でβ-ゼオライトを処理。


【口頭セッション 5】
座⾧: 多田千佳(東北大)
O-19 資源有効利用率を考慮した地域バイオマスエネルギーシステムの設
(東北大)〇古林敬顕,中田俊彦
地図上にエネルギー需要と木質バイオマス賦存量をマッピングし、これに基づいて地域の木質エネルギーシステムを提案するもの。

O-20 バイオマス利活用による地方創生
(NPO 法人兵庫県技術士会)〇濱崎彰弘
バイオマスの地域利用によって地域の課題解決を目指すと。養父の国家戦略特区の植物工場や個人による地域振興の例を述べて技術士としての考えを述べる。

O-21 日本における地域熱供給の課題-JR 新駅設置に伴う宅地開発地でのシミレーションを中心に
(おらって 1,広島大学卒 2)〇佐藤高晴 1,久保瑞穂 2
日本における地域熱供給の課題を、聞き取り調査を通して確認。紫波町やデンマークの例も紹介。

O-22 地域特性を考慮したバイオマスエネルギーシステムのデザインと導入基準
(国立環境研)〇戸川卓哉,大場 真,根本和宜,中村省吾
地域特性と補助制度を考慮して地域エネルギーシステムをデザイン。環境・経済・社会の面から評価するフレームワークを開発する研究。福島県奥会津地域を対象に検討

O-23 半炭化処理による高性能木質舗装材の製造・利用実証
(森林総研 1,東北工大 2,奈良県森林技術センター3,京都府立大 4,ニチレキ 5,地域資源活用研 6)〇吉田貴紘 1,久保島吉貴 1,上川大輔 1,佐野哲也 2,増田勝則 3,有山麻衣子 3,愛須未紀 3,矢杉瑠美 3,伊藤貴文 4,三上隆司 5,中瀬吉行 5,竹内健二 6
半炭化木材を舗装材とする検討。そのままの木質舗装材では腐食が進んでしまう。外部からの薬剤投与なしで耐食性を向上できる。

今年度も、J. Jpn. Inst. Energy でバイオマス特集号を設けます。2月16日(金)までに投稿をいただければ幸いです。投稿先は、jie-journal@jie.or.jpです。査読へのご協力もよろしくお願いします

最後に、バイオマス科学会議の総括としてご参加いただきました皆様、幹事の野中様、現地代表の中田様を中心とした実行委員会の皆様にこの場を借りて御礼を申し上げます。テクニカルツアーも古林様が中心となって手配をいただき、興味深い見学をさせていただき、無事に完了しました。本当にありがとうございました。
TOPへ戻る