リサイクル部会
目的
そのような状況を背景にして,日本エネルギー学会リサイクル部会は発足しました.エネルギーを考える上でも廃棄物やそのリサイクルを考えることの重要性は高まっています。エネルギー消費や物質消費を商品の誕生から消滅までのライフサイクルで評価して,最も環境影響の小さいものを選択する考え方は一つの例といえるでしょう。
リサイクル部会はリサイクルに関する科学的知識を取得する機会を提供するとともに,関連する研究発表を促進することを目指し,以下の活動に取り組んでいます。
1) 廃棄物リサイクルに関連する講習会・セミナー等の開催
2) 廃棄物処理プラント等の見学会の開催
3) 学会大会におけるリサイクル関連セッションの企画
4) その他,循環型社会形成促進に関連する活動
人間社会にとって個々の生活や産業活動において廃棄物が発生することは不可避といえます。したがって,社会全体で発生量を可能な限り少なくすることは常に究極の目標です。そのためには技術の効果的な利用だけでなく,社会制度の整備や生活意識の転換など,多角的なアプローチが必要なことは言うまでもありません。
リサイクルに関心の高い皆さんが、日本エネルギー学会とリサイクル部会に参加し,リサイクル・循環型社会とエネルギー問題に向けた様々な研究や実際について交流を深められることを期待しております。
部会活動
設立当初は、部会員は学会から委嘱した委員で構成されていたため、部会委員会は部会員全員を対象とした委員会であった。その後希望者が部会員になれるように変えたため、原則として部会長が委嘱した運営委員による運営委員会として開催している。
セミナー
「災害廃棄物処理の現状と放射性セシウム処理の課題」
主旨 :現在、東日本大震災の災害廃棄物処理が各地域で進められており、金属や木材などの回収・リサイクルあるいはエネルギー回収が行われていますが、大部分は埋立・単純焼却で処理されております。また放射性セシウムやアスベストなどに起因する多くの問題が現場で発生していますが、各企業や自治体の中で処理され問題の共有化が図られていません。今後予想される首都直下型地震や東南海地震では東日本大震災以上の災害廃棄物が発生することが推算されており、これらの廃棄物を速やかにしかも有効に処理する対策技術の開発が急務です。日本エネルギー学会リサイクル部会としては、2回のセミナーを開催して震災廃棄物処理に関わっておられる方々をお招きして現状を把握し、その問題点を抽出し、将来の震災廃棄物をエネルギー資源として有効に利用するための技術開発の課題を探りたいと考えております。
セミナー1 震災廃棄物はどう処理されているのか 終了
日 時:2012年9月14日(金) 13:30~18:00
場 所:産業技術総合研究所 臨界副都心研究センター別館11階 地図
懇親会:近隣の会場にて
定 員:40名(日本エネルギー学会員)
13:30~13:35 開会挨拶 リサイクル部会長 行本正雄(中部大学)
13:35~14:55「災害廃棄物処理(石巻ブロック)の技術と運転状況について」
八村幸一(鹿島建設(株)) 講演資料
17:55~18:00 閉会の挨拶(アンケート回収)
リサイクル部会幹事 加茂徹(産総研)
18:30~ 懇親会(近くの会場を予定)
------------------------------------------------------------------------------セミナー2 焼却施設における放射性物資の挙動と焼却灰の処理 終了
日 時:2012年10月15日(月)13:30~18:00
場 所:産業技術総合研究所 臨界副都心研究センター別館11階 地図
懇親会:近隣の会場にて
定 員:40名(日本エネルギー学会員)
13:30~13:35 開会挨拶 リサイクル部会長 行本正雄(中部大)
13:35~14:55 「廃棄物焼却施設におけるセシウムの挙動」
高岡昌輝(京都大学) 講演資料
環境中に放出された放射性セシウムは静脈系施設に流入し、最終的に固形の廃棄物に濃縮されている。日本では固形廃棄物の焼却処理が普及しており、廃棄物焼却施設での放射性セシウムの挙動が二次汚染の可能性や焼却施設から排出される二次的な廃棄物の処理処分、今後の焼却施設の保守管理の観点から重要である。本論では特に排ガス処理装置前後の放射性セシウム、安定セシウムの挙動について報告する。
休憩10分
15:05~16:25「指定廃棄物焼却灰の処理と今後の方向性」
成島誠一(西武建設株式会社) 講演資料
東日本大震災による福島第一原発事故に伴う放射能汚染では、経験したことがない未曾有な災害対策として放射能汚染物質の早期の処理が喫緊の課題となっている。放射性物質汚染対処特措法でいう指定廃棄物は、特に飛灰を中心に封じ込め固型化によるセシウム溶出抑制したものを管理型処分場に隔離層などを設け処理する。しかし、最終処理が進んでいない状況にあり課題が多い。そこで、現状を把握し今後の方向性について事例を示し提示する。
休憩10分
16:35~17:55「福島第一原子力発電所事故で汚染された水,土壌,下水汚泥からのCs遊離回収技術の開発」 竹下健二(東京工業大学)
フェロシアン化鉄(プルシアンブルー)を用いたCsイオン交換凝集沈殿法と水熱爆砕法を組み合わせた複合プロセスを提案し,福島で採取された下水汚泥、土壌からのCs回収率を調べた.下水汚泥(10万Bq/kg)と土壌(5.5万Bq/kg)に対して,Csの沈殿回収率はそれぞれ96%、85%の高い値を示し,提案プロセスが効果的に汚染物からCsを遊離回収できることを明らかにした.現在,これらの成果に基づき,中規模プラントが設計・建設され,汚染物の連続処理の実証試験が進められている.
17:55~18:00 閉会の挨拶(アンケート回収)
リサイクル部会幹事 加茂徹(産総研)
18:30~ 懇親会(近くの会場を予定)
リサイクル部会&ガス化部会合同見学会
日時 2012年11月12日(月) 9:30に仙台駅集合
仙台駅(9:30)→仙台市の処理現場(10:30~11:30)→
石巻市の処理現場(15:00~16:30)→仙台駅(18:30)解散
費用 小型観光バスをレンタルする予定です。70000円/9時間
参加者20人で 3500円/人です。(予定)
メンバー
役職 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
部会長 | 行本 正雄 | 中部大学 |
幹 事
|
宇野 晋 | ㈱タクマ |
幹 事
|
加茂 徹
|
(独)産業技術総合研究所 |
幹 事
|
澁谷 榮一 | JFEエンジニアリング㈱ |
(50音順) |
お知らせ
「廃棄物小事典(新訂版)」
発行:日本エネルギー学会 編集:廃棄物小事典編集委員会
発売:コロナ社
定価:4762円+消費税 ISBN 4-339-07645-7
連絡先
リサイクル部会に関するお問い合わせ
日本エネルギー学会事務局
リサイクル部会担当(honma@jie.or.jp)
〒101-0021 東京都千代田区外神田6丁目16-9 外神田千代田ビル4階
TEL 03-3834-6456, FAX 03-3834-6458