会長メッセージ

会長メッセージ

会長   佐藤 康司(さとう やすし)
ENEOS株式会社 中央技術研究所フェロー

  「既存エネルギー有効活用と新エネルギー利用を両輪で支える学会を目指して
Aiming a society supporting both the efficient use of existing energies and new energies
   この度,2025年2月28 日の定時総会ならびに同日の臨時理事会を経て,第30 代会長に選任されました。たまたま番が回ってきた会長職ですが,選ばれた限り,その重責を果たそうと思っています。
 本学会は2022 年に創立100 周年を迎え,次の100年へ歩を進めています。この間,広くエネルギーに関わる技術分野において,技術の発展と人材育成に貢献して参りました。しかしながら,そのプレゼンス(存在感)は徐々に薄れつつあり,衰退の途上と言っても過言ではありません。これは決して小職の主観ではなく,会員数や学会参加者数,論文投稿数等のデータが如実に物語る事実であります。コロナ渦によって一時的に減少した学会参加者がコロナ終息後も元のレベルに戻らない,その喪失割合が他学会に比して深刻である点も看過できません。もはや一過性の現象では説明できない,長期的な衰退傾向に歯止めを掛ける必要があると認識しています。
 日本エネルギー学会の良さは,大きいこと,多様であること,歴史があることではないでしょうか。当学会は,その大多数が企業や研究機関の維持会員で構成されていますが,逆に本来主役であるはずの大学教員や学生が少ないことを意味しています。およそエネルギーに関連する研究を行っている学生さんたちが,こぞって発表したいと思うような大会にしたい。そのためには,会員の先生方や企業研究者をはじめ,できるだけ多くの有識者が学会に参加して議論に加わっていただきたい。もちろん維持会員からは最新の研究成果やニーズを出してもらい,産官学皆にとって有意義な情報共有の場にしたいです。
 10の専門部会を抱える本学会ですが,その学術分野的多様性により,学会として目指すところがわかりにくくなっていないでしょうか。また部会の半数が化石燃料関連で,非化石分野が少数派になっています。小職は本学会の目指す方向性として「既存エネルギー有効活用と新エネルギー利用を両輪で支える学会」を提唱します。歴史ある既存エネルギー分野の弛まぬ進化を支えつつ,再エネや水素,バイオマス,リサイクルといった分野を拡充していくことが「両輪」の意味するところです。関連する他学会との協賛関係やコラボレーションも積極的に進めていきます。
 2020年菅政権の2050年カーボンニュートラル宣言は,今年第7次エネルギー基本計画においてその主旨は継承されたものの,削減目標に幅を持たせるなど,目標達成の先送り感が否めない内容となりました。脱炭素は一足飛びでは実現できないことに世界が気づき,実現可能な目標へ修正されたとも言えるでしょう。化石燃料の有効利用に対するニーズが改めて見直される一方,抜本的な脱炭素技術もコマを進めなければならない,まさに両輪が必要な状況になったと考えられます。この機に及び,本学会が果たすべき役割を今一度明確化し,学会のプレゼンス向上に尽力することを宣言し,会長就任の挨拶に代えさせていただきます。
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