「エネルギー学」部会 部会長挨拶

坂西欣也(産業技術総合研究所 福島再生可能エネルギー研究所 所長代理)

写真  2014年から内山前部会長より「エネルギー学」部会の部会長を引き継ぐことになりました。2000年のエネルギー学研究会の発足時に、「エネルギー学」という学問が何なのか分らないままに幹事としてメンバーに加わってから14年目になりますが、依然として「エネルギー学」の何たるかを理解できていると言えない自分に務められるかどうか不安ですが、「エネルギー学」部会のより一層の発展のため尽力する所存ですので、宜しくお願い致します。
 「エネルギー学」部会は、初代山地部会長のご尽力により2007年に設立され、内山前部会長が引き継がれて部会活動を活発化され、徐々に「エネルギー学」は社会に認知され、エネルギーに関する総合的知識の普及に貢献する段階になっています。本部会は、「学融合」、「エネルギー教育」、「エネルギー政策」の3つの分科会から構成されており、各々の活動は「エネルギー学」に関連する多分野の人的ネットワーク連携によって成り立っています。活動目的は、“エネルギーに関する諸学の知識を構造化して俯瞰的「知」として体系化すると同時に、研究の方法論の基盤形成を図り、さらにエネルギー教育やエネルギー政策などの具体的課題へ対応する”ため、設定した課題の解決に向けて、理工学の各分野だけでなく経済学や歴史学など人文・社会科学も含め、人類の英知と知性を結集した総合的な学問を構築することではないかと考えます。
 そのような中で3.11の東日本大震災と福島第一原発の事故が発生して早3年が過ぎようとしています。内山前部会長は、エネルギー学の観点から「原子力災害、地球温暖化、原油価格高騰を乗り越えるエネルギー政策」、「原子力の明日を考える」をテーマとした部会セミナーを開催され、温暖化防止という課題に対する原子力と化石エネルギーの対立路線から、自然エネルギーへの回帰と再生可能エネルギーの普及をも巻き込んだエネルギー全体の環境性、持続可能性、及び経済性をバランス良く満足する最適解が求められていることを明示されています。また、これは単に日本だけでなく、国際的にも天然資源の大量消費、環境汚染や地球温暖化問題、生態系の破壊が今後さらに深刻化する中で、経済・資源・環境の調和が不可欠になっています。さらに、グローバル化した経済の変化に機敏に対応し、持続可能な社会の構築を目指した問題設定・解決型能力を身に付けていくことが求められており、最も望ましい将来を選択する社会評価力と決断・行動力が必要になります。
 こういった社会状況において、「エネルギー学」部会には、学融合に立脚したエネルギー・環境教育の普及と実践と共に、持続可能なエネルギー・環境政策の提言に貢献することが求められると考えます。そのためには、日本エネルギー学会の各部会との連携に加えて、他学会等との分野横断的な融合したエネルギー学の構築とともに、それに基づいた知識の体系化を目指すことが必要になると思います。エネルギー・資源学会との連携でスタートした、「エネルギー検定」は、その一環となる活動の一つです。今後さらに、「エネルギー学」部会への皆様方の積極的な参画と共に、叱咤激励をお願いして、就任挨拶とさせて戴きます。