ただ今工事中/
「プランB/エコ・エコノミーを目指して」
レスター・ブラウン/北城格太郎監訳/ワールドウオッチジャパン、348P(2004)\2500
現状追従(=プランA)に対抗して、新案(=プランB)を提言した。回転軸は「水と土壌」という環境資源である。目先の繁栄は環境資源の浪費促進で得られるバブルだ、と指摘。そこからの脱出方法を提示。/sano.
----------------目次-----------------------
―――T.ブループラネットの破滅への予兆とその回避
1章 環境バブル経済を調整する
―――U.破滅への予兆を分析
2章
世界に拡がる水不足
3章
「母なる土壌」の流失と[農地/人]の減少
4章
近年の急激な気温上昇がもたらした異変 略
5章
「明・暗」に分断された世界 略
6章
「プランA」従来の経済活動を継続する場合
―――V.破滅を回避する選択「プランB」
7章
水資源の利用効率を1.5倍に高める
8章
土地の生産性を高める
9,10章 略
―――W.ターニングポイント
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バイオマスに関係するトピックだけを拾って、紹介する。
――T.ブループラネットの破滅への予兆
[中国バブルの絶頂と崩壊の予測] 中国経済は1980年以降、4倍に拡大し生態系の許容量を越えた。
「過耕作、過放牧、地下水過剰揚水」へ突き進んだ結果、牛1.6億頭、羊・山羊3億頭が植生を破壊→北西部の風蝕を促進→砂漠化。中国の穀物在庫は2000年から減少へ転じ、現在4000万t/年が不足になっている。
(コメント):中国の穀物の生産量は、1950→1998年に0.9億t→3.9億tに伸びたが、2003年には32億tに低下。2004年、中国は800万tの小麦を輸入。2005年の計画では、1,000万tの小麦、500万tの米、700万tのトウモロコシ、200万tの大麦を輸入する/sano.
[食糧自給] 穀物自給率70%の国=日本、アルジェリア、台湾、韓国。だが巨大需要の中国の自給失敗→買い付け参入は、世界市場を揺さぶるだろう。
―――U.破滅への予兆を分析
[大規模な水不足] 大河の下流まで水が来なくなった。黄河断流は有名。中央アジアのアラル海へそそぐアム川も下流で途絶えている。ナイル川も下流のエジプト・中流のスーダン・エチオピア(源流域)の水奪い合いが激化。米国南西部コロラド川も河口は途切れがちになった。 →これら各国の多くは、地下水大規模揚水へと走った。
[水〜穀物,の換算] 1tの穀物を生産するに1000tの水を消費するのが通例。したがって穀物輸入は、不足する水を(圧縮して)輸入する手段ともいえる。
(コメント):合理化された農業では、500t水/t-穀物、まで抑制できる/sano.
飲料水=4L/人日、だが、食糧摂取量の換算水量=2t/人日、とはるかに多い。米国など穀物を肉に変えて摂取する国々では、4t/人日に達する。
[地下水汲み上げ] 中国の華北平原では、浅い地下水層が枯渇したため、300〜1000mの深層(化石地下水)からの汲み上げに移行した。そのため小麦、米生産は1997年をピークに減産し2003年には3割落ち込んだ。インドでも地下水揚水消費が激しく、ここ30年で地下水位は15→400mと低下した。小麦・米生産は数年後に減産が必至。隣接する雨量の少ない地域パキスタン、イランは地下水過剰汲み上げによる穀物生産は破綻が近い(地下水の年間涵養量の約5倍を汲み上げている)。
米国もグレート・プレーンズ南部農場の井戸が涸れ始めた(過去20〜30年間に水位は約30m低下)。使っている巨大なオガララ帯水層は化石水であり、テキサス、カンザス、ネブラスカ3州の灌漑用水の70〜90%を占めている。
[増産幻想] 地下水灌漑は農業の要求する時期に給水できるので、二毛作が容易になる。河川灌漑に比べて1.5〜1.7倍増産できる。食糧危機はこないとする論拠の多くは、地下水灌漑拡大による増産を前提。地下水枯渇により、食糧バブルがはじけるのは必至である。
[土壌浸食]
風蝕:1930年代にグレートプレーンズを襲った●ダストボール、1960年代にソ連が推進した処女地開拓→中央アジア荒廃(カザフの穀物面積は2500万ha/1980年→2000年に●半減)、中国北西部の黄砂嵐→●砂漠拡大、いずれも無理な耕地拡大からの土壌浸食による。中国は1987-1996年にかけて牧畜地域の農地化を推進し大増産したが、風蝕が進み撤退(農地→森林、あるいは放牧地)を余儀なくされた。
水蝕:エチオピア:急傾斜地農地開発による土壌流亡が、インドではモンスーンによる降雨集中が土壌流亡の直接の引き金に。パキスタン:大規模ダム森林伐採と農地開発による土砂流出がaる。
米国は1985年、浸食耕地を草地または林地に戻すCRP(土壌保全program) を策定し、耕地の1/10,約1400万haを休耕地化。21世紀に入り中国も保全プログラムを開始し、約1000万haを植林、500万haを養殖池に。
[砂漠化防止] アルジェリアは南部耕地の砂漠化に直面し、耕地の2割を果樹園・オリーブ園など多年生植物に転換する計画。ケニアは過放牧・過耕作・過剰伐採を防止しようとしてる(まだ)。中国は1978年家畜頭数自由化で、北部では数倍に増え、草原→砂漠化が進行した。今中国政府は、羊・山羊頭数を40%削減するように呼び掛けた。
[大豆ラッシュ] 米国、ブラジル、アルゼンチンが大豆の主産地。米国では'73年に小麦を抜き、'99年にトウモロコシを抜いた。総生産量は2億t/年。用途:2割が搾油用で、1割が加工食品用(残は直接、食糧、飼料)。
[温暖化の影響] (省略)
[プランA=現状延長路線] 目先利益のために化石燃料や地下水や環境を食いつぶす。その予測・・・(省略)
[森林面積] '90年代、先進国では+0.36億ha、途上国では−1.3億ha(植林より破壊が4倍)。インドネシア熱帯雨林は1.6億haあったが、半世紀で40%失われ、今も毎年200万haづつ失われている。
[穀物生産kg/人年] 1950年:251→1984年:344(これがピークで)→2002年:290。
cf.[人口圧力] ルアンダ:平均7人の多産→'89年には耕地の半分が斜度10〜35度の斜面地に。'94年、80万人大虐殺が始まった。
―――V.破滅を回避する選択[プランB] 現状路線プランA対抗の新レスター路線。
コメント:持続不能資源への基本的姿勢が、A=促進、B=抑制と逆になることに注目/sano.
地下水利用:補助→廃止→有料化→課税(→禁止)を。インドは最初、灌漑用電力を無償で奨励し→●地下水資源は激減→電気代徴収→○地下水位低下に歯止め、○利用効率上昇。
[水利用効率の上昇]:水無料時代は終わった。☆水生産性の評価、尺度:[穀物生産量/ha]→あらため[穀物生産量/水t]にすべき。例:長江流域コメ生産量kg/t水=もと0.65kg→1.4kg.
[灌漑地穀物量率]は世界では約半分(中国:4/5、インド:3/5、米国:1/5)。[地下水/灌漑水]は、中国:2割、インド:半分、とまだ高い。
[灌漑方式] 水利用効率順は、T.高圧スプリンクラ散水<U.低圧低位散水<V.パイプ点滴灌漑。Uはテキサス北部で、Vはイスラエル,ヨルダン,アルジェリアで普及。水生産性はT→Vで1.5〜2倍に改善。
Cf.海水淡水化システム:1〜2$/m2水.→★灌漑用には無理。
Cf..節水植物転換: 稲>小麦、トモロコシ>ソルガム.
蛋白質生産. 穀物生産の37%→飼料.食肉消費量(億t/年):1950年に0.47→2002年に2.4と●5倍増、17kg/人年→40kg/人年、と2倍増。
[食肉消費量] 1950年→2002年で、(億t/年):0.47→2.4、(kg/人年):17→40、と激増。
[飼料効率] =[kg穀物/kg肉増分]と定義.
牛/豚/鶏/草食魚=●7/4/2/2弱◎、 生産増加率%は +1●/+2.5/+5/+10◎
(’90→’96年の生産量Mt/年:●牛.53→58/豚.7→.94/◎鶏肉.41→.72;.卵38→.58/魚.13→.38)
[養殖池の魚生産性]at中国、’90→’96年;2.4t/ha→4.1t/ha
[インドの牛乳生産]’61→’02;20Mt<85Mt/年、○穀物残渣による。
[穀物消費量](kg/人年):インド,伊,米:200(500g/人日)<400(=標準値)<800(●最悪)
[土壌保全のために] →(1)1部休耕→草地転換,林転換;→(2)最小耕起栽培(浸食防止)
[農地→林地]at中国、2010年までに10Mhaを林転換。
[草地](=世界の陸地の40%)今●過放牧→牧草刈取り・畜舎飼いに転換
コメント:まばらな牧草刈取りができないから、放牧になっていたのでは?/sano.
[地下水位低下対策]→(1)汲み上げ制限+(2)水の生産性up(点滴灌漑など)