◆第16回日本エネルギー学会大会 008-0708
[時、所] 2007.8/2−3/北九州市、九州大学箱崎キャンパス
研究発表バイオ関連105件を抽出しています。まだコメント付いていない項目もありますので、投稿追加も募集しています。
現在までの紹介者(目次順):花岡、美濃輪、松村、高津、佐野,、吉田、山本。
ーーー目次ーーー
ガス化 25件
ガス化・合成 4件
発電 5件
炭化 4件
水熱反応 9件
バイオエタノール・メタン発酵 4件
超臨界ガス化 5件
評価 12件
BDF6件
改質&燃料化 4件
燃料化/触媒 2件
ポスター 9件
基調講演(長文のため、後尾に全文掲載)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ガス化
3-1 廃棄物系バイオマスガス化による合成ガス(CO、H2)製造に関する研究/(愛媛大)○佐々木寛人、枝重有祐、(産総研)花岡寿明、坂西欣也
廃棄物バイオマスのair/steamガス化による合成ガス製造。反応条件:常圧、900℃。廃棄物バイオマス中のS,N含有率増加と共にガス化率、合成ガス分圧が減少する傾向が見られた。原料中Sのガスへの転換率は40〜70S-mol%。/hanaoka.
3-2 廃プラスチックの触媒改質特性に及ぼす燃料種の影響に関する研究/(東工大)○青木香代子、堀田昌紀、波岡知昭、吉川邦夫
0.5wt%Ru/Al2O3触媒を用いた廃プラスチック由来タールの分解。原料にPETを用いた場合にRu/Al2O3触媒が有効であることを示した。/hanaoka.
3-3 バイオマスの熱分解残渣を用いた水素の製造/(千葉大学)○呉 莉、足立真理子、赤石直也、中込秀樹、(産総研)加茂徹、安田肇
炭酸溶融塩を用いたバイオマスからの水素製造。Na, Kが、0.1MPaにおいて水素製造を促進。加圧条件(3MPa)より0.1MPaの方が水素生成速度が速い。反応圧力増加と共に生成ガス中にCOが増加。反応器内部のガス滞留時間が長くなることにより、逆シフト反応が進行したためではないかと考察している。/hanaoka.
3-4 木質系チャーのCO2ガス化におけるH2生成特性についての検討/(岡山大)○落合亮太、光岡敬一郎、Md. Azhar Uddin、笹岡英司、(宇部興産)林 茂也、天野 宏
C+CO2-->2CO反応促進による高純度CO製造。CO2分圧上昇と共にガス化速度が上昇し、H2の生成速度が減少した。これは逆シフト反応を進行させると共に、目的とするCO純度を上げ、不純物であるH2濃度を低減する効果があった。/hanaoka.
3-5 バイオマスの低温ガス化で発生するタールの非ニッケル系触媒による分解/(岡山大)上里美紀、Gusta Elizabeth、Md. Azhar Uddin、○笹岡英司、(宇部興産)林 茂也、天野
宏
Fe系触媒によるタール分解。Al2O3とFeとの相互作用によりタール分解、シフト反応が促進するのではないかと考察している。繰り返し使用に対し、Cuを担持することで触媒の長寿命化を図ることができた。
/hanaoka.
3-6 廃棄物熱分解タール改質用鉄触媒に及ぼす金属の添加効果/(北九州市立大)○井手俊輔、小出済、朝見賢二
鉄鉱石-ドロマイト系触媒を用いたタールモデル物質(トルエン)の分解。Niを添加することで、タールを90%以上分解することができた。一方、水蒸気が多い条件では触媒中のFeは2価、3価へ酸化されていた。/hanaoka.
3-7 循環流動層を用いた木質系バイオマスのガス化特性/(産総研)○松岡浩一、倉本浩司、鈴木善三
γ-Al2O3を循環型二塔式気泡流動層反応器の流動媒体として用いた。ガス化由来タールをAl2O3に吸着させることにより、タールの炉内滞留時間が長くなり、タール分解・改質が促進された。循環流動層反応器と比較し、炭素転化率、水素収率および化学エネルギー回収率(高位発熱量基準)が高いことを示した。/hanaoka.
3-8 水蒸気/酸素雰囲気下でのスギ樹皮、脱リグニン樹皮のTG測定とガス化特性の考察/(産総研)○小木知子、中西正和、福田芳雄
水蒸気吹込対応型熱天秤を用いたスギ樹皮、脱リグニン樹皮のTG測定。樹皮のガス化特性向上のためには、水蒸気だけではなくO2が必要。得られた知見はガス化装置を用いた実験結果と良好に一致した。/hanaoka.
3-9 リチウムシリケートを用いた非平衡改質によるエタノールからの水素製造/(東芝)○越崎健司、村松武彦、加藤雅礼
Ni触媒とリチウムシリケートによるエタノールの改質+CO2吸収による高濃度H2の製造。600〜700℃において、650℃の時最も高いH2濃度が得られた。600℃ではメタンが生成しやすく、700℃ではリチウムシリケートのCO2吸収能力が下がる温度ではないかと考察している。/hanaoka.
3-10 コーヒー粕を利用した水素製造/(新菱冷熱工業)○塚本将朗、小泉勝、阿部靖則、(新菱アクアビジネス)白戸淳、(レモン)石窪照男
コーヒー粕を炭化後、水蒸気ガス化によりH2を製造する。連続ガス化装置を用いて、水蒸気流11kg/h、炭化物供給速度16g/minの条件において、H2濃度61%、反応率90%、冷ガス効率19%を得た。/hanaoka.
3-11 高温水蒸気ガス化プロセスによる水素リッチガス製造の実証研究/(東工大)○奈良知幸、梅木健太郎、吉川邦夫、(中国電力)中村孝洋
木質バイオマス、廃プラスチックの水蒸気ガス化によるH2製造。1.2t/日規模の実証プラントを用いた。木材を用いた場合、水素濃度50%であった。廃プラスチックとの混合試料の場合、水素濃度40%であった。/hanaoka.
3-12 含水木質バイオマスの不均一熱分解反応中で生じる熱伝達機構/(山口大)○田之上健一郎、日名内竜也、西村龍夫、(中外炉工業)笹内謙一、谷口美希
バイオマス層内の熱伝達がバイオマス熱分解に及ぼす影響を検討。木屑粒子径が1〜11mmの場合、熱伝導状態に相違は認められなかった。300〜500℃において熱分解によりガスの生成量が高くなった。/hanaoka.
3-13 タールの二次分解過程におけるセルロースとリグニンの相違/(京都大)○細谷隆史、河本晴雄、坂 志朗
セルロースの熱分解では一次分解で生成した成分(タール)は、二次分解過程で主にガスへ転換した。リグニンの熱分解では、一次分解で発生したメトキシル基を持つ化合物は、二次分解においてメトキシル基が消失し、二次タールおよび二次炭化物へと転換する熱分解スキームを提案した。/hanaoka.
3-14 木質バイオマスのガス化速度とチャー物性の関係/(舞鶴高専)○奥村幸彦、(産総研)花岡寿明、坂西欣也
CO2ガス化速度が速いchar作成条件の探索とchar構造がCO2ガス化特性に及ぼす影響を検討。木材の熱分解圧力が低いほど(0.1MPa)、昇温速度が速い(600℃/min)条件で作成したcharはCO2ガス化速度が速い傾向を示した。ラマン分光法によりcharの炭素構造の均一性が低いほどガス化反応性が高いことがわかった。/hanaoka.
3-15 木質バイオマスとPETを原料とした気流層高温ガス化に関する研究/(名古屋大)○田中未来、小林信介、板谷義紀、羽多野重信、(東南大)朴桂林、(環境研)小林潤、(志段味サイエンスパーク)森滋勝
ダウンフロー型気流層ガス化装置を用いた木質バイオマス、PETガス化。O/Cを運転パラメータとした。O/C:1.4以上で炉内温度1400K以上の高温域を形成した。木材、PET単独ガス化では1600K以上で90%以上の炭素基準のガス化率が得られた。木材とPET混合ガス化においては炭素基準のガス化率は70%程度であり、反応速度も各単独のガス化速度より低い値を示した。/hanaoka.
3-16 木質バイオマスの不均一反応における熱・物質移動/(山口大)○日名内竜也、田之上健一郎、西村龍夫、(中外炉工業)笹内謙一、谷口美希
TGを用いた熱分解挙動の検討。熱分解温度250〜400℃では、セルロースの分解が起こり熱分解速度が急激に上昇する。400〜800℃では熱分解速度はほぼ一定となった。/hanaoka.
3-17 粘土系流動媒体を用いたバイオマス循環流動層ガス化/(東京農工大)○中村徹、堀尾正靱、(群馬大)野田玲治、(APEX)田中直
流動媒体としてレンガ粉末を用いたバイオマスガス化およびタール分解。比較試料として豊浦砂を用いた場合と比較し、水溶性タールを半分に低減できた。レンガに含まれるFeが反応過程で酸化-還元を繰り返し、レンガ表面のFe量がタール分解特性、冷ガス効率に影響を及ぼすのではないかと考察している。/hanaoka.
3-18 触媒として酸化カルシウムを担持した桧チャーの炭酸ガスガス化/(岡山大)○光岡敬一朗、落合亮太、笹岡英司、Md Azhar Uddin、(宇部興産)林茂也、天野宏
バイオマス由来charのCO2ガス化による高濃度CO製造。charへのCa添加量2.4wt%。木材とCa(OH)2水溶液を混合させ、炭化し、charへCaを担持した。CO2ガス化におけるCa無担持charとCa担持charの重量減少を比較したところ、後者の方が前者と比較し、char重量が半分になる時間が1/3〜1/4に短縮された。/hanaoka.
3-19 アルカリ/アルカリ土類金属塩化物のセルロース熱分解への影響/(京都大)島田有樹、○河本晴雄、坂 志朗
MgCl2、CaCl2を担持したセルロースは、アルカリ金属および無担持セルロースと比較し、熱分解開始温度が著しく低温側にシフトした。アルカリ/アルカリ土類金属塩化物の添加は、熱分解で発生する低分子生成物の組成に影響を及ぼし、レボグルコサン、メタノール、5-HMF収率が減少し、ヒドロキシアセトン、グリコールアルデヒド、蟻酸、酢酸、フルフラールが増加した。/hanaoka.
3-20 バイオマス粉炭ネットワークのための粉炭ストーブの開発/(東京農工大)○浅原淳司、佐川慎一、Amit Suri、会田千津子、堀尾正靭
全世帯の5%が木粉炭ストーブを使用した場合、削減できるCO2排出量は282t-CO2と試算。粉炭供給速度4g/min、空気比3の時最良の燃焼状態が得られた。安定燃焼には10分程度必要。数万円程度の価格で販売できるよう商品化を進めている。/hanaoka
3−21 2段階ガス化装置におけるチャーのガス化率とタールの分解特性/(大阪大)〇安鐵朱, 赤松史光,伊東佑輔,(中外炉工業)谷口美希,笹内謙一,
間接キルン熱分解炉とチャーガス化炉の組み合わせからなる小型2段階ガス化 装置を製作し、空気供給量とチャーガス化率の関係、空気吹き込み装置の最適
化、タールの分解特性を報告。空気量の増加により冷ガス効率が向上したが、
空気比0.3近くからチャーのガス化率が100%を超えてしまうため、空気比を適切に制御することが必要。/yosida
3−22 バイオマスガス化プロセスにおける活性炭を用いたガス精製技術/(JFE技研) 多田光宏、○品川拓也、松井聰、岩崎敏彦 (産総研) 花岡寿
明、坂西欣也
スギ破砕チップを循環流動層にてガス化し、生成ガス中のタールを活性炭を用いて除去させる方法を検討した。タール除去率はおおむね90%で、比較的沸点の高い多環芳香族分はほぼ除去された。タールモデル物質を使った除去特性を検討した。/yosida
3−23 畜産廃棄物コンポスト低温水蒸気ガス化のための安価な触媒開発/(群馬大)森下佳代子、○岩田融、李留云、宝田恭之、
Ni/Al2O3、リモナイトを触媒に用いて豚ぷんコンポストを水蒸気ガス化した。 水蒸気なし、触媒層温度650℃ではリモナイト触媒でタールが完全に改質され,水蒸気の添加で炭素析出を抑制できることがわかった。水蒸気分圧を上げると 水素収率が増加する一方、リモナイトが酸化失活の影響でタールの生成が確認された。/yosida
3−24 畜産廃棄物コンポスト加熱時に生成する含窒素化合物の接触改質/(群馬大) 森下佳代子、○内海和彦、星野明宏、宝田恭之
豚ぷんコンポストガス化時の含窒素ガスの改質挙動を調べた。Ni担持炭、 Ni/Al2O3、リモナイト触媒下で、Volatile-NがN2に転換されることを確認 (650℃で、Ni担持炭およびNi/Al2O3で97%を転換)。Tar-Nはタール成分の分解 時にNH3として気相に放出された後触媒作用によってN2に転換される。/yosida
3−25 空気と水蒸気を酸化剤とする模擬廃食油の接触改質/(北海道大)○中野真輝,隈部和弘,則永行庸,林潤一郎
模擬廃食油にキャノラー油を用い、改質触媒にγ−アルミナ触媒を用いたときの接触改質特性をシミュレーションした(改質温度973-1073K)。S/C(水蒸気/炭素モル基準供給比)、O2/C、空間速度の最適化で、△H>0(熱的自立)、
タールフリー、低位発熱量2200kcal/NM3のガス生成が同時に達成できる可能性が示された。/yosida
ガス化・合成
3−26 バイオマスからの熱化学的液体製法に関する基礎実験とその利用に関す る実験/(長崎総合科学大)○陳 海鷹、宮城 彰平、坂井 正康、村上 信明
CuO、ZnO触媒を用いて模擬ガスからGTL合成。合成装置を5段直列にすることにより低圧下で高収率の合成を可能にした。1MPa、220℃、0.75NL/minで37.6% の最大収率を得た。得られた液体のメタノール濃度は85%以上。/yosida
3−27 バイオマスからの熱化学的液体製法のためのガス化基礎実験/(長崎総合科学大)○秋本 徹也、宮城 彰平、坂井 正康、村上 信明
種々のバイオマス試料を用いて、浮遊外熱式水蒸気ガス化(農林バイオマス3号機)してガス組成の温度依存性、チャー発生量およびチャー中の炭素分と灰分の比を調べた。スギ、稲わら、サトウキビ、竹ともに、温度の増加によりH2が増加しC2H4が減少する傾向を確認。スギチップに稲わら、タケ、サトウキビ
をそれぞれブレンドしたときのガス化挙動も調べた。/yosida
3−28 木質系バイオマスのガス化・メタノール合成に関する基礎実験 (その1)ガス化の実験及び結果/ (清水建設) ○村田博一、野崎健次、川島実
浮遊外熱式水蒸気ガス化装置を用いて、コーヒー残渣をガス化(700-1000℃)。含水率の増加(1〜60%)により水素は増加し、COは減少する傾向を示した。焙煎の度合いの異なる3種類のコーヒー残渣を用いたが、ガス化特性の違いはほとんどみられなかった。/yosida
3−29 木質系バイオマスのガス化・メタノール合成に関する基礎実験 (その2)メタノール合成の実験及び結果/ (清水建設)○野崎健次、村田博一、川島 実
模擬ガス(スギ木粉、シュレッダー紙ゴミをガス化して得られるガス成分) を用いて5段式のメタノール合成装置にてメタノール合成実験を実施した(温度 200-230℃、圧力1および1.5MPa)。木粉模擬ガス、シュレッダー紙ゴミ模擬ガスからのメタノール転換率は1.5MPaでは1.0MPaと比べ1.8倍多く、最大転換率は
それぞれ60.6%、67.0%に達した。/yosida
発電
3-30 鶏糞、小規模ガス化発電、エネ特性
3-31 固定床ダウンドラフト・ガス化、タール、運転条件
3-32 山口県、バイオ・ガス化発電、実証試験
3-33 木質ガス化発電・熱供給システム
3-34 下水汚泥、ガス化システム
炭化
3-35 木炭強度に及ぼす気孔の影響/長谷川、稲田、古谷、坂輪(高知工科大)
木粉を固めて炭化し、コークス代替品とする。200℃・5tで熱圧成型。炭化温度は400〜1000℃まで。気孔度少ない方が強い。バークは例外で気孔少ないが弱い(リグニン30%と高いせい?)。竹は、もと繊維が硬くて炭化時に高密度化しにくく、空隙が多い。コークス強度評価には、未着手である。/sano.
(筑波大学大学院システム情報工学研究科) 内山 洋司
Selection of Energy Technologies on Biomass Resources
Yohji
UCHIYAMA
(Faculty of Systems and Information Engineering, The University of Tsukuba
バイオマス資源
バイオマスは「エネルギー源としての生物資源」と定義されており、樹木、草、海草、微細藻類のほか、農林産廃棄物や都市ごみを総称する言葉となっている。具体的には、森林、穀物、草、動物糞尿、海洋植物などの農林・畜産・水産資源のほかに、産業や都市などで発生する生物系の廃棄物も含まれている。
再生可能エネルギーの中で、バイオマスはエネルギー密度が最も大きく、また供給の信頼性が最も高いエネルギー源である。身近に利用できるエネルギーであることから開発途上国では、厨房や暖房など非商業エネルギーとしてバイオマスが広く利用されている。世界の一次エネルギーの約1割はバイオマスによって供給されており、再生可能エネルギーの中では最も大きな供給力となっている。
バイオマスの資源ポテンシャルを年間の陸上バイオマスの純生産量から求めてみると(1.5〜2.8)×1018 kJと推計される。世界が1年間に消費している一次エネルギー量が石油換算で86億トン(=3.6×1017kJ)であることから、陸上バイオマスの量はその4.2〜7.8倍になる。しかし、実際のエネルギー賦存量となるとそのポテンシャルの15%以下と推定されており、その値を地域・国別に示すと表1のようになる。
バイオマスエネルギー技術
バイオマスは再生可能エネルギーの中では優れた特性を持っているが、化石燃料に比べると必ずしも優れているとはいえない。バイオマスの燃料特性を石油などの化石燃料と比較すると、発熱量が低い(効率が低い)、水分が多い(乾燥装置が必要)、かさ密度が小さい(貯蔵と運搬・搬送の費用が増大する)、生産地が分散している(安定供給と経済性に課題)、季節により収集量が変動する(安定供給に課題)といった特徴がある。また、伐採したあとに植林しなければ、化石燃料と同じ枯渇資源となってしまう。
バイオマスは開発途上国で主に利用されているが、最近は先進国でも環境保全から利用されるようになってきた。利用されているバイオマスの種類は、人間の生活廃棄物である生ゴミや下水汚泥、農林産廃棄物などさまざまである。表2は各種バイオマスのエネルギー転換技術の種類を示したものである。
バイオマスを直接燃焼する技術には、小規模のもので家庭の料理用コンロや暖房用ストーブ、大規模のものでごみ焼却炉のストーカ炉などがある。家庭のような小規模利用では、熱効率が10%程度かそれ以下と低いため効率向上が課題となっている。それに対して発電用の大規模利用になると、一般に発電効率は10〜15%、最新技術で20%前後になる。燃焼技術は都市ゴミの焼却炉で使われているストーカ炉が最も多くの実績を有している主流の技術となっている。
表2 バイオマス種と転換技術(出典:IEA資料)
バイオマスの熱分解反応とは乾留とも呼ばれており、燃料を空気から遮断して400〜600℃に加熱して熱分解ガス、タールあるいは酢液、チャーあるいは炭を生成する反応である。生成物の発生割合は、原料であるバイオマスの種類と反応条件によって異なるが、重量割合で気体10〜30%、液体40〜65%、固体10〜20%である。
ガス化反応は、完全燃焼用の理論空気量よりはるかに少ない空気または酸素を用いて可燃性ガスの割合を高くしたものである。ガス化剤に空気を用いると設備が簡素となり経済的になるが、生成ガスは低レベルの発熱量になる。生成ガスはガスエンジンやガスタービン、あるいはボイラ用燃料として使われている。一方、ガス化した生成ガスを合成してメタノールやDME(ジメチルエーテル)など燃料油の製造に利用する場合はガス化剤には酸素を用いる。バイオマスから燃料油を製造する場合、現在の技術ではエネルギー変換効率が低いこともあって実用例はまだわずかである。
バイオマスに200℃前後の熱水を注ぐと、加水分解によって酸やアルコールなどが生成される。300℃になると油状液体が発生し、さらに温度を上げると可燃性ガスが生成される。この技術は研究開発段階にあってまだ実用化されていないが、今後の成果が注目されている技術である。
エタノールは正式名称がエチルアルコールで無色透明で麻酔性を持つ液体である。酒の主成分で、工業的にはサツマイモ、ジャガイモなどのデンプン質、糖を含む果実、のこくずなどのセルロース質などを原料に、酵母で発酵させ蒸留して製造する。また、石油精製品のエチレンから触媒と硫酸を使って製造する方法もある。エタノールは、海外では既に自動車燃料あるいはオクタン価を向上する添加物として利用されている。わが国でもガソリンにエタノール(ETBE)を混入したバイオガソリンが販売されている。2010年度には36万kl/年の導入を目指している。
メタン発酵には、嫌気性生物であるメタン細菌によって行われる発酵、炭酸の還元により生成する方式、それに酢酸やメチルアルコールなどの有機物の分解によって生成する方式とがある。実用的には、有機物のアルコールや低分解脂肪酸等への分解とアルコール等のメタン変換の2つの過程によってメタンが生成される。メタン発酵は、水分含有量の多い畜産廃棄物や食品加工廃棄物、あるいは下水汚泥などのバイオマスに適している。発酵槽から発生するガス中のメタンの割合は約60%で、地域暖房用の燃料として利用可能である。しかし、本格的なバイオマス利用を図っているためには、メタン発酵の速度が遅いことが課題となっており、効率的な発酵槽の開発が重要である。
-----------日エネ学会'07 fin.