第4回 環境技術研究協会研究発表会HP008-0409b
     バイオマスパネル討論会(日エネ学会バイオマス部会

コメンテータ : 佐野寛(地球エネルギーシステム研)
  <<バイオ関連発表>>11件を抽出し、ほかにバイオマス・パネル討論会があった.
                      #抄録・コメント紹介,追加あれば受け付けます.
[時、所] 2004.9/17/大阪人間科学大学
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研究発表会特別セッション(11件)
木質系及び廃棄物系バイオマス利用技術

7.
中山間地域におけるエネルギー自立の可能性
武田修子、井田民男、澤井徹、淵端鍔(近畿大
和歌山・三重県は森林率の高い中山間地域を擁し、その大部分は30〜35度の
急傾斜林である。傾斜林度・山の深さにより搬出困難度による地域レベル分割をおこなった。地域熱需要を確認するため、各地の冷暖房degree・dayを算出した。結果、中山間域の熱需要は40%も高く、木質(1.5GJ/t)需要として2〜2.5t/年・世帯、となる。林地残材等の直接利用によるエネ自立度向上が有望である。/sano.

8.
傾斜を利用した搬出技術:人工シュラ
楢崎達也(UFJ)、大亦義朗、池田潤(里山クラブ)、薗田登(しんくたんくkyouto
多くの
間伐材資源は搬出されていない。滑走による搬出にシュラを用いる実験をNPO共同で行った。設置80分・撤去20分と容易であった。間伐材は林内で、細かく玉切りが必要である。竹シュラは、設置・撤去が困難なので、幹線用に限定されよう。その他、ヤエン木馬も検討した。/sano.

9.急傾斜林における
山林放牧の可能性と効果予測
佐野寛(地球エネシス研)、本庄孝子(産総研関西)、澤井徹、井田民男(近畿大
 
急傾斜林バイオマスの資源化技術のひとつとして、山林放牧を提案した。すなわち、木質採取の代わりに、傾斜選好動物を放って枝葉を採取・利用させ、肉や卵を得る。適応動物候補種は、山羊である。好ましい条件は広葉樹林>針葉樹林、35度くらいまでの傾斜林、である。/sano.

10.エネルギー密度の高い半炭化木質
ペレットの可能性
本庄孝子(産総研関西)佐野寛(地球エネシス研)、井田民男(近畿大
カイヅカイブキの小片木炭末オガクズなどの加圧半炭化を行う。288〜361℃で重量減少が大きく(セルロースでは335〜367℃)、吸熱極大は342℃である。低温化の原因はリグニン、ヘミセルロース、生活物質(澱粉、蛋白等)の共存による。軟化点はずっと低く220℃。木炭単味ではペレット化不能だが、オガクズ40%以上混和(好ましくは50%以上)でペレット化できる/sano.

11.
バイオマス燃料水分による合理的な価格体系
森田明宏、佐野寛(地球エネルギーシステム研)、本庄孝子(産総研関西)
スエーデンでは水分によりバイオ燃料引取り価格を変動させて合理化に成功しているが、価格決定は経験則である。本報は火炎温度
900℃までの全吸熱を差引き,発熱量ゼロ点ゼロ価格と設定する提案。石炭価格(\340/GJ)を基準にすると絶乾木質\8000
/tDB、となる。着火後には熱回収補正が期待できる。計算結果:水分50%生木\1750/湿t、水分30%風乾物\4200/湿t/sano.


12.
地域完結リサイクルシステムちいきの輪)
町田輝次、西征敏、望月徹、木下弘志、陶山宏也、町田康輝(地域リサ推進機構)、中尾浩康、宮崎洋臣、西村丈二(水資源機構・長良川
流木・刈草・剪定枝・建設副産物等の資源化。チップ化・炭化・堆肥し、敷地内施肥・油吸着・調湿用、及び長島町役場に堆肥無償譲渡。まだ付加価値がコストに反映できていない。/sano.

13.果樹剪定材のエネルギー利用
澤井徹(近畿大)、難波邦彦(大阪府立高専)、本庄孝子(産総研関西)、佐野寛(地球エネシス研)
果樹剪定枝
は地域的に大きな農業廃棄物資源である。全国的には稲の1/6の作付面積に過ぎないが、青森・愛媛・和歌山では稲藁より多い。林地残材などより集中排出し、使い易い。そこで燃料利用としての
剪定枝を検討した。灰分が高い特徴がある。幹/樹皮/葉において灰分比率は1/4〜7/10〜1 となり、農地還元が有力候補になる。結果として剪定材直径と灰分率との良い相関式が得られた。梅材の燃焼試験を行い、木質ペレットより着火性が優れた結果を得た。/sano

14.バイオマス
資源循環利用状況の概略把握と循環改善の検討事項
土井和之、姫野靖彦、斉藤邦人(内外エンジ)
モデル
を作っての事例研究。レインボープラン(東北・水田地帯):木質+おから堆肥で窒素バランスの検討、南九州の畜産地帯:畜糞尿による地下水硝酸汚染問題へ炭化組込の提言、九州中部の畜産廃棄物+都市ゴミでのメタン発酵システム、などを採り上げている。/sano.

15.
小型噴流床型バイオマスガス化実験装置によるスギからの生成ガス組成の解析
中西正和、小木正子(産総研)
杉木質粉末
外熱式スチームガス化。実施段階では内熱式に換える。酸素吹き込みの効果を検証している。水蒸気は間接的に水素を増やす(COは減る)。酸素添加は水素、ついでCOを減らす/sano.

16.木質バイオマスの小規模分散型発電システムの開発
太白秀一、平田悟史(川重技)
ダウンドラフト式固定床ガス化。樹皮、樹皮ブリケット、端材、オガライトなどを原料に、1〜5t/日、0.1〜0.5MW発電を行う実証試験である。タール濃度を300mg/Nm3以下に抑制し、発電効率を20%と高める。送電端効率は16%くらい。熱源は熱分解で生成するタールやチャーを主に燃焼する。原料水分が増えると、ガスの熱量が低下する。/sano.

追加バイオ関連発表
6.高効率
嫌気性消化による汚泥減量化システムの実証
鈴木富雄、斉藤彰、桐田晃(神鋼環境ソリューション
長岡浄化センターの実証試験。
固形分3.5%前後の下水汚泥(沈降物)を高濃縮工程(遠心)で固形分15%まで濃縮する。→パルパーで熱交換・予熱する→蒸気注入により加水分解反応器(165〜170℃、30分)で可溶化する(固形分10%)。これを38℃45日間の消化発酵槽へ送り、メタンを回収する。消化液は固形分4.3%が残る。凝集剤Cを添加してベルトプレス脱水し、含水率70%脱水汚泥を得た(従来は82%)。/sano.

−−−−−(日エネ学会バイオマス部会−−−
         バイオマス・パネル討論会
 「
循環型社会を推進する環境技術−バイオマス/sano.
   (日エネ学会バイオマス部会

基調講演バイオマス利用技術の新展開:現状と課題、展望/坂志朗(京大
地球環境問題の現状から、バイオマスが演じるべき役割の重要性を解説。後半はバイオマス系の高級燃料への転換技術一般、特に超臨界処理による液体燃料形成への技術の新展開について述べた。
事例報告
 「木質バイオマス利用発電
」/熊田雅行(タクマ)
能代
の木質発電。廃材チップを用いて、9t/時(約200t/日)、移床ストーカ炉、ボイラ蒸気温度425℃・6.2MPa3MW発電.樹皮は乾燥後、燃焼炉へ投入する。大量集荷は困難なことが多いので、別に、ストーカ式1〜2t/時・230600kW、あるいは流動床式0.6〜2t/時・130〜730kWの小型発電プラントも開発しつつある。

 「未活用木質バイオマスへの挑戦」
/下島英俊(シーテック)
山間など
小規模分散木質対応発電。「移動式発電プラント」は車載=水平高温ガス化、小型希薄ガスエンジン発電20%発電率を目指す。スターリングエンジンも候補に。運転費内訳:人件費+破砕費で60%近く、この削減がかぎをにぎっている。

 「
山口県における木質バイオマス発電」/山口英男(中外炉)
外熱式ロタリ−キルンを使うただし自己発生タールチャー燃焼して外熱する。キルン温度は700〜680℃でチャーの量・質が激変する(残炭量30%→10%→灰だけ)。タール酸素部分燃焼で6mg/Nm3まで下がり、ガスエンジンに使える。

パネル討論会: 座長=佐野寛(地球エネルギーシステム研)
パネラー:上記の演者4名、 坂志朗、熊田雅行、下島英俊、山口英男、および
氏原修(大阪府森林組合):
木質ペレット製造と自家使用(温泉)で脱化石達成。地域の目を森林に向けることに成功しつつある。
大塚憲昭
(里山倶楽部):里山の
炭焼きを森林保全ボランティア活動に留めず、ちゃこという地域通貨を生み出して、バイオ地域ミニ社会を作っている。
中島浩一
郎(銘建工業
)
:バイオマスのメッカといえる真庭地区の中核にあり、日本の木質火力発電を切り開いてきた。自家熱需要に支えられた火力で発電率にこだわらない運用ができた。これからは広域集荷で本格的な木質火力への展望を拓きたい。
   フロアからの質疑・意見が続き、活発な討論となった。また、バイオマスの国・岩手から参加された金沢様からも山林からの残材搬出などに貴重な意見を頂くことができて、有意義な締括りとなった。
/sano.

展示会別室にて、会員・参加者による研究・実践活動の展示やバイオマス製品サンプルの出展があった。サンプル堆肥小袋の無償提供が人気を呼んでいた。説明員の多くは講演発表者でもあり、研究発表と展示との両側面から奥行きのある解説が得られ、参加者に満足感を与えるものとなった。
/sano

-------------環境技術'04 fin.