2011.
3/18(金)午後/京都リサーチパーク
第61回バイオマス利用研究会007-1103b
報告者=佐野寛
<内容>温室効果ガス排出削減、世界の食料生産など。抄録/sano
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1)温室効果ガス排出削減の制度設計/手塚哲央
京都メカニズムやCDMの現状を紹介。フロアの問答が活発でいろいろな数値が見えてきた。例:
*Q:CDMや排出権取引によって、CO2排出削減の価値が見えてくることを期待したのだが。今、相場はどのくらい?
→A EU-ETS価格(ユーロ/t-CO2)では、7〜30と激動していたが、現在は16、くらい。
*Q:CDM実施により現在、日本はどれほどの出費をしているのか?
→A 1兆円弱の持ち出し。それを負担しているのは、国と電事連と鉄鋼連だが、結局は国富の損失である。
2)世界の食料生産と日本/川島博之
「食糧危機は来ない;自給率こだわらず、TPP加盟で日本農業は成長する」農水省や環境論者の世界食糧危機説に抗して、あえて「少数派意見」を推す。
*世界の小麦単収(t/ha)は長い間、堆肥補給により1t/haを維持し、1haで6人を養ってきた。1950年から2000年までの半世紀に直線的に増収し7t/haに達し、同面積で数倍の人口を養えるようになった。化学肥料のおかげです。
*農地には余裕がある。世界の休耕地は1960年以来、4〜3億haと、あまり変わらない。日本にも百万haある。
*日本の「穀物自給率40%危機」の中身は、日本人が米食→パン・麺(原料=輸入小麦)転換したせいです。肉食(原料=輸入とうもろこし飼料)化も一因。
*穀物価格高騰は、生産不足でなく投機が原因ですぐ収まっている。GDP比較で見れば、半世紀ほとんど価格は不変。
*Q:米西部穀倉地帯のオガララ帯水層は地下水くみ上げで枯渇しかかっている。米国とうもろこし輸出余力は消失するのでは?
→A オガララ地域はもともと低質農地で、農作中止の方向です。
*追加Q':インドの西インダス川流域や中国の黄河流域の地下水位の低下(枯渇)はさらに深刻では?
→A 中国もインドも、今は米を輸出できる国です。
*Q:米作には豊富な水とエネ投入(=石油)が必須。米輸出国の第1・第2位(タイ、ベトナム)も、水・石油依存が不安定要因である。
→A 石油枯渇後には,oil sand, -shaleなど豊富にある。
*追加Q:ポスト石油の化石資源は、あまりにも回収率が低く汚染源になり易いのではないか?
→A 資源があれば、技術進歩に期待できる。
*
Q:
肥料資源も枯渇しないか?
→A NPKのうち、Nは必要に応じて空気窒素から無限に合成・供給できる。K資源にも不足はない。P資源は、世界中で過剰投入され土壌中に蓄積された結果、当分は追加不要です。
コメント/sano:長期視点か短期視点か、で結論が逆転する、典型例ではなかろうか。
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