◆「第19回日本エネルギー学会大会」◆
2010.8/2-3(月-火)/工学院大学、新宿
今回は、バイオマスセッションは77(昨年は73)件の発表と招待講演ならびに基調講演があり、最大3室でパラレルならびにポスターとなりました。
Session3(バイオマス)の各発表の概要報告を、一言ないし3行コメントとして各座長を中心に、まとめていただいたものを掲載いたします。
さらに、聴かれた方々の追加コメントをも歓迎いたします/sano
ーーーSession目次(テーマ;座長)ーーー青字は既に掲載。
3-1 ガス化1; 谷口
3-2 ガス化2; 笹内
3-3 ガス化3; 小木
3-4 BTL; 稲葉
3-5 熱分解1; 隈部
3-6 熱分解2&炭化;松村
3-7 エタノール1; 森川
3-8 エタノール2; 野中
3-9 メタン発酵; 柳下
3-10 BDF1; 高津
3-11 BDF2; 美濃輪
3-12 水熱・超臨界;井上
3-13 評価・物性; 吉田
3-14 液化; 河本
3-招待講演「ブラジル〜」
3-基調講演「アジア〜」
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3-1 ガス化1; 谷口
3-2 ガス化2; 座長=笹内
3-2-1.バイオマスガス化プロセスにおけるスクラバーを用いたタール低減に関する研究/東工大 芦野ら:
熱分解ガス化のガス精製で用いるスクラバーに従来の水ではなく、軽油、バイオディーゼルオイル、植物油、クレオソートなどを用いてガス中のタールの吸収率を比較。植物油が一番吸収効果があった。スクラバーは簡単な溜水方式でスクラバー方式の違いによる比較はしていない。
3-2-2.SOFC燃料ガス中タール分によるNi/ScSZサーメットアノードの劣化挙動/東工大 永井ら:
バイオマスの熱分解小型ガス化発電では、従来のガスエンジン発電機ではなくガスが高温のままで利用できるSOFCが向いている。そこでSOFCに用いる熱分解ガス中のタール許容濃度を調べたところ、ガスエンジンと比べて10〜100倍のタール許容濃度があることがわかった。
3-2-3.Ni-Mg/Al2O3を用いた豚糞のガス化と炭素析出挙動/群馬大 高橋(望)ら:
比較的低温でガス化できる触媒を探索しているが、市販のNi/Al2O3触媒にMgを助触媒として加えることで炭素析出を抑制できることがわかった。木質ガス化ガスと豚糞ガス化ガスとの比較は特にしていない。
3-2-4. Ni触媒への炭素析出に及ぼす担体の影響/群馬大 高橋(海)ら:
3-2-3と同じカテゴリーで行われた研究の報告。Ni触媒の担体をAL2O3からナノカーボンに変更したNi触媒が炭素析出抑制に有効であることがわかった。さらにMgを助触媒として加えた研究は今後の課題。
ーーーここまでsasauti
3-5-1
3-5 熱分解1; 座長=隈部
3-5-1 リグニン芳香核モデルとしてのグアヤコール及びシリンゴールの熱分解経路/(京都大)モハメド・アスマディ,河本晴雄,坂志朗
N2雰囲気,反応温度600℃,反応時間40-600secで回分式反応器を用いてグアヤコール(2-methoxyphenol,OCH3基1個)およびシリンゴール(2,6-dimethoxyphenol,OCH3基2個)の熱分解機構の解明を検討.OCH3基がコーク生成に寄与.
3-5-2 木材多糖熱分解物のガス化特性/(京都大)福留明日香,河本晴雄,坂志朗
木材多糖由来熱分解物のガス化特性をN2雰囲気あるいは部分酸化条件で回分式反応器を用いて500〜600℃で検討.フルフラールおよび5-ヒドロキシメチルフラールは気相中においてもコークを生成し,ガスはCOが主成分.グリコールアルデヒドや蟻酸からはCOおよびH2が生成.ヒドロキシアセトンおよび酢酸からはCH4が生成.
3-5-3 竹粉末試料の低速熱分解過程における生成ガスに関する研究/(山口大)川中隆司,田之上健一郎,西村龍夫,末冨喬大ら
竹粉末試料の熱分解における温度と生成ガスの関係を検討.ヒーター温度800℃で生成するガスの62%は昇温過程(試料温度〜710℃)において生成.ガス組成はCO,H2,CH4で全体の60%.
3-5-4 バイオマスの熱分解における重質タールの生成および分解機構の解明/(東工大)森永洋祐,岡田卓哉,渡部弘達,岡崎健
ドロップチューブ型TG反応器でのセルロースの熱分解(900℃)におけるタール生成および分解機構の解明を検討.滞留時間5〜10secでは重質タール(300℃で凝縮)は減少,中質タール(120℃)は変化無し,軽質タール(0℃)は増加.10sec以降は全タールが減少.生成ガスは50%以上CO,残りはCH4。
ーーーここまでkumabe
3-6 熱分解2・炭化; 座長=松村
3-6-1 セルロース熱分解速度論モデルの炭化物生成経路における還元性末端の役割/松岡(京都大)ら
セルロースの熱分解挙動を説明する時に用いられる「活性セルロース」の正体について説明がないことに対して、セルロースの還元性末端の高い反応性に着目。これをOHに変えて反応性を測定。
3-6-2 ロータリーキルン式熱分解炉中における木質バイオマス層の熱伝導シミュレーション/田之上(山口大)ら
ロータリーキルンガス化炉の熱分解挙動を説明するためにバイオマス充填層の熱伝導特性を加熱しつつ測定。ロータリーキルンでは熱伝導は不要ではないかという指摘あり。
3-6-3 木質バイオマスからの高効率な高密度発電燃料製造における触媒添加の影響/高橋(信州大)ら
木質バイオマスの輸送コスト低減のために山元で炭化を行う提案。収率向上のためにNaOHなどの添加を検討。収率、熱回収率の向上を確認。質疑応答の議論で、半炭化に対する優位性が不明。
<追加コメントsano>自己発生木タールを炭化物へ吸着させることによるエネ増収法は、炭化を脱タール前で止める「半炭化」と同レベルになる、という意味でもある。
ーーーここまでmatumura
3-7 エタノール1; 森川
3-8 エタノール2; 野中
3-9 メタン発酵; 柳下
3-10 BDF1; 高津
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3-11 BDF2; 座長=美濃輪
3-11-1.バイオディーゼル燃料の合成反応に対する石灰岩の触媒特性/同志社大 高津ら:
バイオディーゼル燃料合成の固体触媒として、石灰岩を検討。ドロマイトや人工合成石灰の活性が高かった。焼成時における不純物の影響と考察。
3-11-2.マイクロ波照射によるBDF生成に関する実験的・計算的考察/兵庫県立大 朝熊ら:
マイクロ波照射の効果は加熱だけでなく、トリグリセリドの立体構造の変化もあることを、実験および計算により証明。
3-11-3.エマルジョン混合法を用いたBDF生成エステル交換反応の促進/東工大 弘井ら:
エマルジョン混合を行うことで、室温・数秒でエステル化反応が進むとの報告。時間0でFAME収率が高いことから、分析手法に質疑があった。(今後の追試等を期待)
3-11-4.高電圧印加場を用いたバイオディーゼル燃料の精製/鹿児島大 高梨ら:
バイオディーゼル燃料の水洗精製において、高電圧印加場を用いることで乳化した油中の水滴が成長して沈降する。数%の水添加量で水洗精製が十分可能。本方法は原油の脱水技術として実用化されているもの。
ーーーここまでminowa
3-12 水熱・超臨界;座長=井上
3-12-1 鶏糞粉砕物の高温流動特性/山崎(広島大)ら
超臨界水ガス化原料である鶏糞スラリーの高温高圧における流動特性を管内流れ圧力損失から検討、べき乗則モデルのパラメータを決定。200℃以上では、水として扱えると。
3-12-2 バイオマスの水熱炭化に及ぼす構成成分の影響/熊谷(九州大)ら
バイオマスの組成と水熱炭化特性の関係を確認。モデル物質、脱リグニン、実在バイオマスを300℃、30
min バッチ水熱処理。リグニン濃度が高いほど固体残渣収率が増大。
<追加コメントsano>各成分の水熱炭化物収率が全般に高く、リグニンが特に高い値になっていない。
3-12-3 半流通型加圧熱水処理による木材の化学変換における酢酸添加の効果/パイブーンスィルパと坂(京都大)
流通水熱反応器における木材処理に3%酢酸を用いる効果を確認。セミバッチ反応器でおがくずを水熱抽出。ヘミセルロースの抽出は速くなり、セルロースの結晶性は低下。
3-12-4 亜臨界フェノールによるブナ材の液化処理/ミシュラと坂(京都大)
木材をフェノールで処理し、液体燃料を得る検討。ブナ150
mgをフェノール4.9 mLと270〜350℃で20 min亜臨界処理し、溶解物を分離、分析。350℃ではほとんど完全に溶解。
ーーーここまでmatumura
3-13 評価・物性; 座長=吉田貴紘
3-13-1 木質ペレットの粉砕性評価方法/(東電)板倉優、西村浩、桑原隆
検証用の石炭とペレットの同時粉砕時にミルの圧損が増大する問題があり、対応するためにペレットの粉砕性を測定。ミルの中で飛ばされる粒子の条件を決定する方が先かと思われる
/matumura
市販の木質ペレットの粒度分布、解砕ペレットの粉砕性等を検討。粉砕性は石炭の粉砕性評価法(HGI)を適用可能で、原料の部位に影響を受ける
/yosida
<フロアから>バークペレットが混焼適性が高い、のは とてもありがたい。
3-13-2 種々のバイオマスの化学組成と生物学的分類の関連性/(京大)ハリファラ ラベマヌルンツ、坂志朗
バイオマスの種とその化学組成との関係を調べた、と。従来の組成分析法では収支が取れないことを踏まえて分析法を改良、各種のバイオマス組成を確定する方法を決定。/matumura
木材(針葉樹、広葉樹)の化学構成成分分析法を、タケ、草本系バイオマスに対して実施。得られた結果より、木質系の手法を必ずしもそのまま適用できるとは限らないこと。成分分布をより詳細に得るには、草本系試料の中には灰分の補正が必要なこと、別途タンパク質の定量も必要なことを指摘。/yosida
3-13-3 バイオマス低温燃焼における亜酸化窒素の生成特性/奥村(舞鶴高専)と岡崎(東工大)
バイオマスを低温燃焼した時の亜酸化窒素の生成を実験とモデルで評価。素反応モデルを球状木材の燃焼について計算。燃焼温度低下、バイオマス中窒素分の増加で亜酸化窒素生成量増加。表面反応未考慮。/matumura
ヒノキ木粉を対象に、低温(1000-1200K)燃焼時にFuel-Nから発生するN2O、NOの発生挙動をシミュレーション。燃焼温度、原料中N分の影響、初期酸素濃度の影響を考察。/yosida
<フロアから>fuelN分が原因なので、ワラ燃焼だけが問題。また、理論計算は1980年代に多用され、一巡している。
3-13-4 バイオマスを用いた水素ステーション構築予測に関する研究/(東ガス)田島正喜、(産総研)横山伸也、(東大)芋生憲司
燃料電池自動車の普及を念頭において、水素ステーションにバイオマスから得た水素を供給する可能性の検討。200
m3/h以上の規模では、8 t/dのバイオマスでよく、輸送距離も10 km程度ですむ。/matumura
木質系、畜産系、農業系バイオマスからの水素を製造(水蒸気ガス化方式)し、水素ステーションにて燃料電池自動車に充填するバイオマス利活用手法を考察。水素ステーション(水素製造量200m3以上)を構築し得る場所は全国で約800カ所で、既存ガソリンスタンド数の2.5%にあたると推算。/yosida
<フロアから>バイオマス→水素;→メタン;→電力、の3システム対比が欲しい。果たして水素優位だろうか。
3-13-5 バイオマスタウンの今後の発展方向:持続可能性目指すには中山間地域モデルタウン構築を/(地球エネシス)佐野寛、(阪南大)本庄孝子、(近畿大)井田民男
バイオマスタウンのバイオマス資源量、利用可能性を考えて、中山間地のモデル推進を提唱。下草の粗タンパク、全消化栄養を踏まえ、山林放牧を含めた議論を進める。/matumura
バイオマスタウンを持続可能モデルとして成立可能にさせるための提案。バイオマスタウンの構想から事業に至る問題点を指摘。資源からバイオマスタウンを見直すため資源種3区分(都市型、農村型、中山間地)から分析。山間放牧を主体とする中山間地域モデルを提案/yosida
ーーー3-14 液化; 座長=河本
3-14-1 固体酸触媒を用いたセルロース系バイオマスの液化反応/銭(東京農工大)ら
セルロース系バイオマスを250℃以下で有機溶媒と固体酸触媒を用いて液化、バイオオイルを得るプロセスの検討。触媒で液化率は大きく向上。
<追加コメントsano>原料ワラでは灰分が多いため触媒は繰り返し使えなくなる。
3-14-2 木質バイオマスのマイクロ波によるオイル化/井上(新日鐵化学)ら
おがくずをアルコール中でマイクロ波加熱して溶解、バイオオイルを得る。濾過して残渣セルロースとバイオオイルを分離、酸濃度で半溶解と全溶解に処理を分けられる。
3-14-3 酸触媒条件下での廃木材を原料とするフェノール液化生成物の性状調査/王(埼玉大)ら
セルロースとリグニンを酸触媒の存在下、フェノールを用いて液化。温度、反応時間、液固非、触媒量を変えて実験。時間の影響が最も大きいと。
3-14-4 木質タールの水素化処理/杉本と堀江(産総研)
急速熱分解油を改質利用するため、一段目に水素化脱酸素、二段目に石油リファイナリーでの水素化を行うプロセスを提案、ラボスケールで実験を行う。グアヤコールとフェノールの減少で評価。
<フロアから>脱硫触媒を転用しているが、石油脱硫と異なりバイオ油の脱酸素は要望されない。重合防止には共役二重結合の水素添加が要望される。
ーーーここまでmatumura
3-招待講演「ブラジル〜」;司会=成瀬一郎(名古屋大)
ブラジルのバイオエタノール生産・利用状況と我が国でのエコ燃料普及/Terabe(日伯エタノール)
ブラジルにおけるバイオ燃料政策、技術、プログラムを紹介。2009年にバイオディーゼル1.6
GL、バイオエタノール27 GLを生産。エタノール生産コストは210ドル/m3。生産効率は7
m3/ha。
ーーーここまでmatumura
3-基調講演「アジア〜」;司会=堀尾
バイオマスアジア戦略と今後の展開/坂西
アジアにおけるバイオマス利用に関連した各種トピックスの紹介。産総研としてもパームコンプレックス構想の提案やマレーシアの連携ラボなどの活動を進めている。
ーーーここまでmatumura
ーーーーーーポスタ(3-90-14〜)/ーーーー(未)
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---007-1008終.
