◆第一回バイオマス科学会議◆→<NEW>>2006.1/17-18/東大
報告者= 松村、佐野、吉田、花岡、森田、岡田(工事中)
------------[ポスター賞授与]以下、3件------------------------------
P411 八木賢治二郎、中田俊彦(東北大)「資源分布を考慮した木質バイオマス発電の経済性評価」
P237 柿薗俊英(広島大)「微生物燃料電池を用いるバイオマスから高出力発電法の開発」
P213 吉田拓也ほか3名(広島大)「エタノール発酵のためのリグノセルロースにおける水熱前処理の最適条件の決定」
バイオマス関連の講演発表20件とポスター54件があります。
現在:掲示達成率は、講演100%、ポスター80%です。
「会議報告」007-0601へ本報告に先立って、キーワーズ集を採録、掲示しています。皆さんのお好みの発表に、コメントをお寄せ下さい:→それで逐次、「報告」を作成しています。
ほかに「パネル討論会」模様を付記します。
----------------キーワーズ集-----------------
口頭発表(技術8、導入・システム4、資源4、政策4件)
技術8件--------------------------/matumura
技術-T 座長:美濃輪(産総研)
O201「食品廃棄物高速メタン発酵システムの開発」吉岡ら6名富士電機アドバンストテクノロジー)
高温メタン発酵の条件制御を細かく行うことによって生ゴミのメタン発酵日数を4日とする。消化廃液を間欠曝気槽により脱窒素した。
O202「高効率エタノール発酵に基づくセルロース系バイオマスからの燃料用エタノール生産プロセスの開発と評価」山田ら5名(アルコール協会、NEDO)
リグノセルロース系バイオマスからのエタノール発酵技術開発のレビューとアルコール協会で進めている75%の濃硫酸を用いたプロセス開発(酸・糖混合液を擬似移動クロマト床で分離)の紹介。
O203「高速度発酵細菌によるセルロース系バイオマスからのエコエタノール製造」簗瀬英司(鳥取大)
すべてを生物化学的に行うリグノセルロース系バイオマスからの酸糖化液(グルコース、マンノース、キシロースを含む)のエタノール発酵のための微生物育種。
O204 「超臨界水ガス化の昇温部分における反応特性の検討」松村ら6名(広大)
超臨界水ガス化において昇温速度が生成ガス特性に及ぼす影響をタールの生成、各反応速度定数の決定、反応シミュレーションによって確認。5-HMFの重合体がキー物質。
-----------------------------------/matumura
技術-U座長:坂西(産総研)
O205 「酸化カルシウム触媒を用いた廃食用油からのバイオディーゼル油製造」 高津ら6名(けいはんな、白石工業、産総研、同志社大)
アルカリ廃液を生成しないバイオディーゼル油製造のための酸化カルシウム触媒において、遊離脂肪酸が触媒を分解することを確認。
O206「木質バイオマスの熱分解ガス化原料の前処理乾燥方法」笹内ら3名(中外炉工業)
ガス化の前処理としてのチップ乾燥方式の比較。バンド通気乾燥かドラム乾燥が有効。
O207 「高含水バイオマスの油中改質乾燥・ガス化システムの開発」渡邊ら7名(電中研、神戸製鋼所、石川島播磨重工業)
含水性バイオマスの効率乾燥として100℃以上の油で処理をし、発生した水蒸気は圧縮熱回収、生成物をガス化するプロセスの検討。
O208「粘度系廃棄物を流動媒体とする循環流動層による木質バイオマスの水蒸気ガス化」野田ら5名(東京農工大)
レンガ粉砕物を多孔性流動媒体としてバイオマスガス化を行う時に、レンガ粉砕物を水素還元しておくことによる効果を確認。
導入・システム4件------------------/matumura
導入・システム 座長:松村(広大)
O301「アジアを中心とするバイオエタノール生産の動向と将来展望」仲田、坂(京大)
アジア各国におけるエタノール導入状況の報告。
O401 「木質系バイオマスからのエネルギー物質生産システムにおけるガス化−液体燃料合成プロセスの検討」藤本ら6名(産総研)
BTLプロセスのプロセス計算。必ずしもエネルギー自立型が高効率ではない。
O402「バイオマス利用への現実的シナリオについての考察」堀尾、野田(東京農工大)
地域に実効的なバイオマスを導入する方策として、地域の状況を理解し、同時に地域に理解を深めてもらう方法論の提案。/matumura
//単純な(安価な)システムの必要性、異業種・別プラントとのインテグレーション、アグロフォレストリー、スターリングエンジン、炭など今後バイオマスの利活用を考えるにあたっての重要なキーワードが多数提示された。/okada
O403「適材適所のバイオマス・インダストリー・コンプレクスの構築を目指して-農学の視点から」Jin、飯山(東大)
バイオマスの組成、構造を踏まえたカスケード利用例の提案。
資源4件/座長=吉田---------------------matumura
O101「山林放牧による資源採取の最大化:直接採食と木質爆砕飼料化との相補システム」/佐野寛、本庄孝子、井田民男(地球エネシス、産総研、近畿大)
山林放牧で、2年目以降は家畜が飼料とする部分が減少すると同時に、柴相当部分が拡大する。柴を回収、爆砕して飼料とすることで森林の飼料供給平準化する提案/matumura、/sano
O102「建設廃木材に含まれる化学物質−処理の種類と使用薬剤−」/山崎享史、東智則、清野新(北海道立林産試)
建設木材に対する各種処理とそれによって含有される薬剤のレビュー。含有の確認には赤外(携帯式あり)や蛍光X線など。/matumura
O103「資源作物「ヘンプ」のカスケード利用モデル」/赤星栄志、舟山秀太郎(BIN)
ヘンプの各部分を適切に利用して全体として経済性の出せるシステムを構築する可能性を検討。標題「カスケード利用」は「バイオマスの適材適所利用による全体利用」の意味。バイオマス・ニッポンの用語の使い方としてはむしろ「バイオマス・リファイナリー」に相当。/matumura
O104「中山間地域における森林バイオマス資源の長期的な利用可能性」/有賀一宏、吉岡拓如、桜井倫(宇都宮大、日本大、東京大)
森林資源を搬出、利用するコストを詳細に検討。路網整備でコスト低下、林家の合意が必要。/matumura
政策4件/座長=藤野------------------------
O501「バイオマス産業社会のアプローチ」/岡田久典、泊みゆき(BIN)
バイオマス産業社会のコンセプトについての紹介。持続可能性が重要だが、持続可能性には、経済的、社会的、環境的な側面も含めることが必要。/matumura
O502 「ペレット温故知新−木質成形燃料工業の発展と課題−」/小島健一郎(鳥取大)
石油ショック後のペレットの導入と衰退を踏まえ、ペレットが定着していなかった実態を確認。/matumura
工場数はここ数年で3→27件と増加したが、きわめて低稼働率である。燃焼機導入が着いて行ってない。ペレット規格化は林野庁の3年プロジェクトが始まっている。カナダから4000t/年のペレット輸入があるが、燃料でなくて敷料である。/sano
O503 「山梨バイオマス社会ビジネスモデル4」/鈴木嘉彦(山梨大)
山梨大学のバイオマス活用による持続可能な社会づくりのためのモデルを提案。大学として教育と研究に止まらない地域との連携を模索。/matumura
O504 「日本の森林の有効利用―地域経済における政策、方向性提案―」/泊ら5名(BIN、テクノバ、荏原製作所、鹿島建設、広島大)
エネルギー学としての日本の森林の有効利用検討の一環。バイオマスの利用には、地域の特性を生かしたシステム構築が重要。各種課題を踏まえ、関連法律整備、地域へのメリット、マーケティングシステムなどを。/matumura
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特別講演:「わが国の新エネルギー政策とバイオマス」柏木孝夫(東農工大)
座長:山地(東大)
日本の総合エネルギー調査会としてのバイオマス導入への期待を紹介。京都議定書対策として、バイオマス熱利用を進める必要性とマイクログリッドの可能性について紹介/matumura
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ポスター(資源9、技術23、導入・システム5、政策8件)
資源9件----------------------------
P105 短伐期ヤナギ林、木質バイオ生産
P106 地域振興、バイオマス
P107 ベトナム、500万ha造林
P108 インドネシア、木質バイオ可能性
P109 半炭化、高エネルギー密度化の戦略
P110 里山、森林バイオ有効利用、提案
P111 バイオマス賦存量、GIS、DB
P112 茎葉、耐倒伏性、稲リーフスター
P113 炭化、鶏糞、資源化
技術23件---------------------------/morita
P209「水素・メタン醗酵二段醗酵による有機性廃棄物処理」(産総研)○塚原建一郎、澤山茂樹、(荏原製作所)片岡直明、(鹿島技研)上野嘉之、(西原環境テクノロジー)大下信子、(バイオインダストリー協会)横田長雄
開発目標は、有機物分解率>80%、滞留時間<15日、エネルギー回収率>55%。前段(可溶化・酸生成発酵)で水素回収(メタン回収量の半分)することにより全体の処理速度、エネルギー回収率の向上を図る。実証プラントは本年度末までの運転。
コメント/sano:原料は[厨芥・紙ごみ]と、[糖蜜・廃パン]など易分解有機物に限定か。メタン発酵槽に間欠回転床、内部循環固定床を導入した。
P210 「バイオエタノールの膜分離濃縮技術」(産総研)○池上徹、根岸秀之、柳下宏、榊啓二
ゼオライト系シリカライト膜分離の性能低下の原因は、非解離のコハク酸分子が膜に吸着することによる。そこで、疎水性を維持するため、膜にシリコンゴムコーティングすることでエタノール分離性能低下を回避(軽減)することを検証した。
P211 「バイオエタノール生産のための食用キノコ廃菌床の酵素糖化」(宇都宮大)○横田信三、山田圭介、鈴木大介、石栗 太、飯塚和也、吉澤伸夫、(栃木県林業センター)粕谷嘉信
木粉と栽培するキノコの組合せと市販セルラーゼを選別した糖化実験を行い、コナラ木粉+シイタケの廃菌床を酵素R10またはRSを用いて糖化率37%。糖化率は、培養70日まで増大し(リグニン崩壊による)、キノコ収穫後は低下する。
P212「カラム式リアクターを利用したバイオエタノール生産プロセス」(森林総研)○野尻昌信
バッチ式の木質糖化ではセルラーゼに適した50℃では酵母(30℃至適)が死んでしまう。カラム式リアクターによる糖化・発酵分離を検証。カラム式では攪拌不用だが生産量低下。
P213 「エタノール発酵のためのリグノセルロースにおける水熱前処理の最適条件の決定」(広島大)○吉田拓也、岡久大祐、松村幸彦、菊地義弘
グルコース収率が最大になる水熱前処温度(175-235℃)をシュミレーションにより求めた。175℃処理でセルラーゼ糖化可能なセルロースが増える。反応条件は、草本系、針葉樹、広葉樹の違いで大きく変化するだろうが、種々の植物体へ応用可能であると予測。
P214 「リグノセルロース系バイオマスの水熱処理過程におけるリグニンおよび金属の分解溶出挙動」(産総研)○熊谷聡、甲斐田泰彦、坂木剛、(佐賀大)林信行
200℃熱水可溶化率:灰分は全流失が普通だが、籾殻は65%が残渣中に残る。原因はシリカの溶解度。リグニンの熱水可溶化率は草本で80%溶出、広葉樹で60%、針葉樹で35%(=難溶)。これは、リグニンの構造の違いに起因。よって、針葉樹は、酵素とセルロースの接触が容易でないためグルコース生産性が低い。
P215「ZnO触媒を用いた高温高圧水中における水素生成反応」(東北大)○相澤 雄一、渡邉 賢、猪股 宏
グルコース、サトウキビバガスにZnOを添加し、水素の収率、選択率について検討。酸化剤H2O2の添加によりCO,H2,CO2の収率が増加。CO,CO2の収率は酸化剤の添加により単調に増加、H2は極値を持った。
P216「高温高圧水中におけるグルコース反応に及ぼす金属酸化物の影響」(東北大)○渡邉 賢、相澤 雄一、猪股 宏
表面の酸・塩基総量が[グルコース→HMF]反応活性の指標になる可能性がある。活性a-TiO2>m/cZnO>r-TiO2 も説明できる。触媒設計指針になり得る。
P217「超臨界水と担持金属触媒を利用するリグニンのガス化反応」(産総研)○長田光正、佐藤修、白井誠之
リグニンのモデル4-プロピルフェノールのRu/TiO2触媒による超臨界水ガス化反応を比較。水密度の増大によりリグニンのガス化反応が促進。リグニンのアルキルフェノール類への低分子化反応(超臨界水で促進)→ガス化(Ruで促進)、の2段反応である。
P218「超臨界水ガス化反応における昇温部分の伝熱特性」(広島大学)○伊藤賢、松村幸彦、菊地義弘
亜臨界領域では水より高い伝熱係数を示し、超臨界域では水とほぼ同じ値を示した。これは、グルコースのH2O2酸化ガス化(300〜420℃、23MPa)によって発生する乱流が原因で、管内沸騰流の計算値よりも高く、通常の沸騰より撹乱効果が大きい。
P219「超臨界水を用いた家畜排泄物のガス化技術の開発」(中国電力)○中村昭史,清水嘉久,三浦健,清永英嗣、(東洋高圧)野田洋二、(広島大)松村幸彦,(産総研) 美濃輪智朗
家畜排泄物 有機分のほぼ完全なガス化が望める超臨界水ガス化(>374℃、>22MPa)技術の実証実験を平成17年から3年間行う。250℃の液状化処理により流動化を高め、原料を連続的に供給。ガス化促進触媒を原料に混ぜ反応器の閉塞を防ぐ。
P220 「触媒懸濁スラリーを用いた超臨界水ガス化の基礎的な実験」(広島大)○渡部秀樹、松村幸彦、吉田拓也、(中国電力)清水嘉久、(東洋高圧)野田洋二、(産総研)美濃輪智朗、(広島大学)
触媒を充填した反応器はガス化を促進するが、閉塞も起き易い。そこで、触媒を原料に混ぜる攪拌懸濁床(400〜600℃)を考案し、その効果が確認できた。これにより、反応器の閉塞や、触媒の劣化に対する対応力が高まる。
P221 「超臨界水ガス化前処理としての鶏糞の液状化」(広島大)○前田剛志、朴永男、吉田拓也、松村幸彦、(中国電力)清水嘉久、(東洋高圧)野田洋二、(産総研)美濃輪智朗
含水率55%の鶏糞371gと水1295gを混合(含水率90%に調整)し、オートクレーブに詰め、180℃に達したら水冷、60℃以下になったら蓋を開け攪拌。15日後に粘度を測定1.5mPas、水の1.5倍であった。(キャベツでは粘性率10mPas)
P222「魚あらとバークの同時処理・エネルギー利用技術」(近畿大学高専)村田圭治,○木岡桂太郎,前川桂一,松尾慎也,奥西浩二
中圧水蒸気熱処理を魚あらとバーク混合物の乾燥に応用。魚切身のみを処理するとキャラメル状になった。バーク1/3混合で粘着防止。急減圧すると爆砕効果による乾燥性の向上が確認される。急減圧による凝縮水の回収・処理方法に課題。
---以下/hanaoka
P223「NO and N2O behaviors during co-combustion of low-grade coal with biomass(低品位炭とバイオマス混焼場におけるNOおよびN2O挙動)」/Asri Gani and Ichiro Naruse (Toyohashi Univ. of Technology)
ヒノキとSH炭およびNL炭を用い、1073K、空気比1.2の条件において、ドロップチューブリアクターを用い、石炭燃焼、混焼、バイオマス燃焼条件でのNOおよびN2O濃度を測定した。NO濃度は、石炭燃焼および混焼条件で同等の濃度であった。N2O濃度は、混焼条件の濃度は石炭燃焼条件のおよそ半分程度であった。CHEMKINを用いてシミュレーションを行った結果は実験結果と良好に一致した。
P224「酸素富化汚泥溶融プラントにおける脱水汚泥の燃焼機構の解明」/二宮ら(中部大学、潟Aクトリー、石川高専)
溶融炉内での脱水汚泥燃焼機構について検討。1個の汚泥粒子の燃焼モデルを仮定し、反応速度定数ksを算出した。脱水汚泥の初期粒子径と燃焼完了時間には良好な直線性が認められた。また、実証プラントから排出されるSO2, CO2濃度および脱水汚泥の体積高さについて、実測値と燃焼モデルからのシミュレーション結果を比較したところ、両者とも良好に一致した。
P225「構造変化を伴う改質処理による熱分解生成物の制御」/郡ら(京都大学)
バイオマスの熱分解生成物の分子量分布をシャープに保ったまま制御することを目的とし、セルロースの前処理としてH3PO4処理、水熱処理を検討した。H3PO4処理によりグルコースを中心とする加水分解生成物を得た。処理サンプルを386℃で熱分解することで、未処理セルロースの熱分解で得られたレボグルコサンより分子量の大きな成分で、ほぼ単一成分と見なせるピークをGPCにより得た。
P226「木材ニッケル触媒炭化による高機能炭素の製造-微粉砕・酸洗浄の効果について」/鈴木ら(北見工大)
ニッケル触媒炭化法により得られる結晶性メソ孔炭素について、炭素の結晶性および細孔構造に及ぼす粉砕、酸洗浄の影響を検討した。メソ孔体積については粉砕、酸洗浄による大きな変化は認められず、吸着剤として要求される特性(>0.17cm3/g)を保持した。また酸洗浄によりニッケルの除去率は97%に達した。
P227「電気加熱式ドロップチューブ反応炉による木質バイオマスの基礎ガス化特性」/榛葉、成瀬(豊橋技術科学大学)
ドロップチューブリアクターを用いて、1173KにおけるヒノキのCO2ガス化特性を検討。ガス化率は炭素基準で18.4%であった。チャーとCO2の接触時間を長くすることでガス化率向上が期待できる。
P228「灰分高含有木質系バイオマスのガス化における反応生成物の性状特性」/小木ら(産総研)
噴流床型ガス化装置を用いて、灰分含有率の高いバイオマスのガス化について検討した。ガス化剤として水蒸気を用いた場合、生成物として固体残渣中に約半分程度の炭素が存在した。一方、水蒸気と酸素を用いた場合には固体残渣中の炭素含有率は4%程度であった。
P229「Ni触媒を用いた高含水バイオマス廃棄物の低温接触ガス化」/黒澤ら(群馬大)
Ni/Al2O3触媒を用い、下水汚泥の低温水蒸気ガス化特性を検討した。500〜650℃の範囲でガス化を行い、500℃においてもタール状物質の生成は認められず、主生成ガスはH2およびCO2であった。
P230「金属担持褐炭を利用したバイオマスの低温接触ガス化法の開発」/茂木ら(群馬大)
褐炭担持Ni触媒を用いて、ヒノキガス化由来のタールの水蒸気改質について検討した。450〜550℃の範囲でタールを改質する性能を有することを明らかにした。
P231「ユーカリチャーのガス化速度の測定」/青木ら(成蹊大)
流動層ガス化およびTGを用いてユーカリチャーのCO2ガス化速度を測定した。1073Kにおける流動層ガス化実験において、CO生成速度の測定結果から、ガス化の最大速度は0.002s-1程度であった。
P232「木質バイオマスガス化におけるレンガ粉砕物のタール分解・ガス化特性」/野田ら(東京農工大)
流動層によるバイオマスガス化において、安価な流動媒体としてレンガ粉砕物を用いた。レンガに含まれるFeの酸化状態に着目した。レンガを酸化還元を繰り返すことで、還元速度が上昇した。流動層を用いたガス化特性を検討したところ、再還元を行ったレンガを用いた場合、ガス化率向上が認められた。
P233「空気/水蒸気を用いた褐炭・木材共ガス化の基礎的検討」/花岡ら(産総研)
褐炭・木材の混合比がair/steamガス化特性に及ぼす影響を調べた。原料中の木材含有率が高くなるほどガスへの転換率が上昇、CO、CO2組成は上昇した。一方H2組成は減少した。
P234「地域分散型バイオマスガス化発電の実証試験」/加藤ら(轄L島環境研究所、潟Zンタークリーナー、富士企業梶A潟Tタケ)
インド科学院より導入したガス化発電装置を用いて、木質ブロックおよび廃カキイカダをガス化し、精製後のガスをディーゼルエンジン発電機に送り、軽油と混焼することで、30kWの実証試験を行った。両原料とも得られたガスの発熱量は5.4MJ/Nm3であった。この時の発電効率は約19%であった。
P235「ブルータワー木材ガス化プロセスにおけるヒートキャリア(アルミナ)と灰分との相互作用」/亀山ら(日本計画機構、群馬大)
ブルータワープロセスは予熱炉、熱分解ガス・タール改質炉、熱分解炉の堅型炉であり、ヒートキャリアとしてのアルミナボールが循環する。リンゴ剪定材を用いて繰り返し燃焼試験を行い、アルミナボールに吸着する灰分量、アルミナボールの強度変化を調べた。ボールに吸着する灰分重量は繰り返し回数17回程度で飽和した。また、ボールの圧縮強度は繰り返し実験15回までは、ほとんど変化は認められなかった。
P236「2段階熱分解ガス化(CGS法)による水性ガス生産」/小島ら(北大、東産商)
熱分解ガス化を炭化とガス化の2段階に分けて行うCGS法を用いて、ケナフのガス化を行った。この方法によるタールの発生は認められなかった。全段の熱分解ガス化温度の増加(400-->1000℃)と共にH2,CO2の生成量は増加したが、COの生成量は600-1000℃では同程度であった。後段のガス化温度の増加(800-->1000℃)と共にH2,CO2の生成量は減少したものの、CO生成量は増加した。
P237「微生物燃料電池を用いるバイオマスから高出力発電法の開発」/柿園(広島大)
微生物燃料電池のPEMおよびメディエータについて、2つのバイオマス活用系(パン酵母-ブドウ糖、活性汚泥-人工下水)を用い、バイオマス発電の可能性を検討した。前者の系ではNeoSeptaが20倍以上の電流密度を示した。メディエータとしてビタミンK3が代替できることを示した。後者の系では、汚泥の40%が自己分解することを見出した。分解した汚泥は発電過程で自己消化されることを明らかにした。
P238「グリセロ-ルからの生物的、生物電気化学的水素・エタノ-ル生産」/酒井、柳下(産総研)
嫌気発酵に電気化学的手法を組み合わせることで、高濃度BDF副産物の処理を試みた。通常条件と電気化学条件でグリセロールの分解特性を比較した。電気化学条件下では通常条件の1.6倍の消費量を得た。
導入システム、政策 10件./sano------------------------
P302 「地域特性を考慮したバイオマスエネルギー利用のビジネスモデル」/(東北大工)佐藤聡一、中田俊彦
宮城県の、畜産・食品系廃棄物を対象。メタン発酵プラントへ投入して、(1)ガス→電力、(2)ガス→熱、(3)消化残渣→堆肥、を出力とする経済計算。コストと販売価格が規模の関数になるが、電力は\20/kWh以上が必要、熱と堆肥は販売価格がゼロに近い(需要開拓が必要)のが難点。
P303 「日本での木質バイオマス利用を推進する要件:スエーデン事例をもとにして」/東大農)鮫島正浩ら6名
スエーデンでは森林機械導入により生産性は30m3/人日;日本は3m3/人日。対策として日本林に道路インフラ拡充を、地域暖房・温水PL網を拡大など提案。
コメント:急傾斜林に道路建設が林床破壊の恐れがあること、また民生熱需要喚起が日本の気象条件で困難なことなどを考慮する必要がある。
P404「バイオマスからの輸送用液体燃料製造プロセス設計」/(産総研)隈部和弘ら5名
木質バイオメタノール合成の「ProU」の応用練習研究である。新しい問題点の発見につながるとよい。
P405「省エネルギー乾燥が拓くバイオエネルギー利用の将来ビジョン」/(鹿島技研)日野俊之
水分60%以上のwetバイオマス資源化には、乾燥が必須。VCC(上記圧縮凝集法)で水蒸発潜熱を回収循環利用する。95℃84kPaで減圧蒸発し、110℃143kPaで加圧凝縮し熱循環させる。水分20%到達でCOP(仕事係数)は10が得られる。
P406「エネルギー・マスフローを考慮した畜産廃棄物活用システムの設計」/川西英明、中田俊彦
4種の技術(堆肥化、炭化、湿式メタン発酵、乾式メタン発酵)を駆使して、炭素C・窒素N分の物質フローを追跡。近接需要地にもよるが、システム内のN分は過剰となる。炭化(あるいは焼却)の出口が必要になる。堆肥化はエネルギー利用に反する恐れ。
P407「エネルギー作物の運輸部門への適用と経済性評価」/大山尚宏、中田俊彦
エタノールとFAME(=BDF)が柱。いずれも輸入品(プラジル、マレーシア)が超安価なので、国産競争力には厳しい(ガソリン価格\3700/GJの2〜5倍もする)。量的には、遊休農地49万ha利用で自動車燃料の1.7%に相当する。
P408「木質バイオマスの事業化検討モデルの構築」/(復建調査)井上陽仁ら5名
例示は20km範囲、42t/日の間伐残材資源である。距離は100kmが限度であるが、規模の効果と相殺するので決定的制約ではない。規模の制約は強く、30〜40t/日が下限。
P409「流木と製材端材を燃料とした木質ガス化発電装置の調査」/(東海大海洋)田中博通
大井川・安倍川・富士川河口沿岸流木(約9千t/年)は食塩と水を含み、焼却でダイオキシン発生の危険がある。自己熱交換能力のある固定床ガス化で1200℃ガス化し、ダイオキシン発生を防止した。
P410「ASEANバイオマス資源・利用技術モデル分析」/(SRC)安岡理恵子、宮近秀人、(電中研)山本博己(東大)山地憲治
インドネシアの6EJが最大で産業用丸太伐採残材が主たる対象。本地域でもっとも注目されるパーム残渣(マレーシア)についてはこれからの調査になる。
P411「資源分布を考慮した木質バイオマス発電の経済性評価」/八木賢治郎、中田俊彦
宮城県では建設廃材や合板・製紙工場などで直接燃焼発電が進んでおり、安価な燃料確保が問題になっている。発電規模メリットと輸送距離を経済性解析ツールBiRReTを用いて相関関係を検証した。結果、集中型の直接燃焼発電よりも距離の短い小規模ガス化発電の有利さが認められた。
政策9件--/yosioka--------------
P505「岩手県盛岡広域生活圏を対象とした再生可能エネルギーシステムの最適設計およびバイオマス利活用方策の検討」/(東北大)○伊藤吉紀、中田俊彦
岩手県盛岡市とその周辺地域における木質バイオマス(製材廃材,林地残材,間伐材)による電力供給の可能性を検討した。変換技術としてはガス化発電と直接燃焼発電を考慮したところ,ガス化の場合1 MW以下,直接燃焼の場合4〜10 MWのときに価格競争力を有する結果となった。ほかCO2排出削減可能量,補助金額,雇用人数などを計算。
P506 わが国バイオマス、有効利用政策
P507 新エネルギー特別措置法、評価、木質
P508「 家畜糞尿処理を対象とした地域合意形成と数理モデルの組合せ手法の検討」/(東京大)○磐田朋子、島田荘平
家畜糞尿処理・利活用システムの社会・環境便益について,アンケート調査を用いてコンジョイント分析により推定。その後システムの物質フロー,コスト,環境負荷排出量の変化を定量化するために数理モデルを作成。今回の発表はモデルの説明が中心。
P509 「山梨バイオマス社会ビジネスモデル4(その1)」/(山梨大)○岡田久典
山梨県内における木質バイオマスの活用による持続可能な社会づくりが主たる目的である「山梨バイオマス社会ビジネスモデル4」のうち,モデル2の説明。山梨県早川町におけるバイオマスタウン構想では,1.事業収支,2.地域活性化収支,3.エネルギー収支,4.環境収支が重視されている。
P510 「山梨バイオマス社会ビジネスモデル4(その2)」/(山梨大)○曽根原久司
山梨県内における木質バイオマスの活用による持続可能な社会づくりが主たる目的である「山梨バイオマス社会ビジネスモデル4」のうち,モデル2の説明。温泉のボイラ燃料となる資源の調達方法として,都市ボランティアと林業者インターンを考えており,年間200トンの確保の見通しが立っている。
P511 「日本の森林の有効活用におけるエネルギー変換の検討」/(産総研)○美濃輪智朗、(東京大)島田荘平、(山梨大)鈴木嘉彦、(東北芸工大)三浦秀一、(地球エネシス)佐野寛
エネルギー学からのアプローチとして,バイオマス原料の入手コストと商品である熱や電気の価格との関係を整理。極端な原油の高騰などがなければ,熱利用でも発電でもエネルギー変換利用に関しては,20,000円/トン(5,000/m3)のバイオマス調達コストがひとつの限界と考えられた。
P512「日本の森林の有効活用のための国産材競争力向上に関する検討」/(森林総研)久保山裕史、(国環研)○藤野純一、(農工大)安藤範親、(タクマ)藤井重雄
国産材の競争力を高めることを目標に,北上川中流域の木質バイオマスのポテンシャルを試算し,木材の生産コストを低減させる方策を検討した。林業の機械化などにより伐出・運搬コストを6,000円/m3に低減し,間伐材の利用率を高めれば,林地残材の供給可能量は現状の3倍以上になる可能性がある。
P513 「廃棄物処理と組み合わせた木質系バイオマス利用システム構築の検討」/(広島大)○松村幸彦、(テクノバ)石田宏洋、(荏原製作所)大谷繁、(BIN)岡田久典、泊みゆき、(鹿島建設)日野俊之
森林バイオマス利用の経済性について,代表的な地域の問題である廃棄物処理と組み合わせることによる優位性の実現についてプロセス設計的な検討を行った。森林計画区を単位として,森林資源の廃棄物との共処理を行うことにより,効率的にも経済的にも有利なシステムを構築できる可能性が確認された。
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パネル討論会「
バイオマス温故知新:ブームから本流へ」/matumura
[コーディネータ]:横山伸也(東京大)
[パネリスト]:
木谷(日本大)、熊崎(岐阜県立森林文化アカデミー)、藤本(農林水産省)、泊(バイオマス産業社会ネットワーク)、坂西(産総研)
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パネリスト講演T)
木谷:「バイオマス技術開発と科学の発展」
バイオマス技術開発の概観。ブラジルの国家アルコール計画の成功理由として十分な技術の蓄積と社会経済環境が重要。今後、技術の常識を科学で修正する必要。
(
パネリスト講演U)
熊崎:「木質エネルギー 回顧と展望」
これまでの木質バイオマスの利用を振り返る。従来型/改良型/近代型の利用を整理。産総研の言う、悪夢の時代には既存技術の改良が進んでおり、木質バイオマスもこの状況か。
(パネリスト講演V)藤本:「『バイオマス・ニッポン総合戦略』の見直し」
バイオマスをどのように導入するかに腐心。地域バイオマスを使ってどのように「食えるシステム」を構築するかが鍵。
(パネリスト講演W)泊:「バランスの取れた持続可能なバイオマス利用推進」
経済的、社会的、環境的に持続可能なバイオマス利用が必要。方向性には、農山村地域の持続可能な発展の中心と都市部での廃棄物や輸入バイオマスの利用が考えられる。
(パネリスト講演X)坂西:「バイオマスエネルギー研究開発における産総研の取組み」 昨年産総研バイオマスセンターが発足2005年〜2009年は中期計画の中でエタノール+ETBE、トータルBTLディーゼル製造技術、シミュレーションによる経済性評価を進める。バイオマス10への挑戦を進める。
--------------(質疑応答)-------------------
Q:
ブラジルの成功要素=社会経済環境:、どこまで変われば日本でもバイオマス利用ok?
(木谷)国の継続的なサポート体勢が必要。ブラジルは1930年代から一貫している。
Q:海外バイオマスの扱いはどうだったのか
(木谷)エネルギーについては大量のため市場メカニズムによる。海外、国内の差別化はない。同じ質なら安いものが入るのが当然。
Q:ペレットよりチップが合理的と思うがどうか、また、チップの規格は?
(熊崎)チップを軸とした中山間地での利用が戦略。チップの規格は3通りある。
Q:チップの規格にはパルプの規格もあり、これを含める必要も。
Q:食料との競合については、米作のできない地域のあることも考慮すべき。
(泊)資源作物を全否定していない。持続可能な形とすること、非可食部の利用が重要。
Q:木質については、中国の紙の使用量が増加しており、今後状況が変わる。
(熊崎)燃料用、紙、ボード用の棲み分けを考える必要があり、パルプは品質の良い物が求められるので使える部位は限られる。
Q:学に何を期待するか。
(藤本)個別の分野に詳しいだけでなく、隣の分野のこともわかり、これを素人にもわかりやすく説明することを。逆に、政府に何を求めるかを聞きたい。
(泊)役に立つ学であってほしい。現場をみないで単純な画一モデルを作ることなどはバイオマスの実状に合わない。税金を使う責務を果たせ。
Q:補助金や助成などを求める声は強いが、これは社会負担になる。どう考えるか。
(泊)社会負担少ない方が当然よい。現在の予算の用途の改変・転換を考えるべき。
Q:悪夢の期間を乗り越える戦略は?
(熊崎)新技術がないとダメ、と考えず、できる技術でしのぐこと。
Q:BTLといっても、ガス化とGTLで後者はすでにあるのでは。
(坂西)エネルギー産業との連携は進めていく。
Q:ビジョンの前にCO2削減、持続可能、というミッションがあるべき。
(泊)生態系という足元を削らず、生活を向上させる。より広いビジョンを持つバイオマスを考えることが必要。欧州のアムステル条約のように、日本でもバイオマスニッポンの前に持続可能な日本ビジョンがあるべき。
Q:バイオマスタウンの改訂にあたり、自給率を高める指針を入れてほしい。
(藤本)具体的にどうしろということは言わない。各地域のアイディアをいかす制度である。
-----追加コメント-----
・エネルギービジネスは、エネルギー基本法の枠内でなければビジネスのチャンスは少ない。
今後、積極的に法律立案に対するアクションが必要になる?/morita
・ビジョンの提案が必要だが、ビジョン自体に地域性がある。
産学官民が共通の目標・情報を持つことが不可欠なので情報交流の場が必要である。交流の場のモデルが必要だろう。効果的な交流の場が提唱できれば、ビジョンは自然に育つかも。/morita
・バイオマス利用(=資源循環型社会)は、社会システムや文化の問題である。
まずは、率先して県庁等の組織が資源循環型社会に対応した組織に改変する必要がある。バイオマスタウン構想に応募する条件に、「窓口を明確に一本化し、組織を国の体制に準じたものにする」ことを付け加えると解決し易くなる。現状では、幅広いバイオマス利用に対し何処が対応すべきか、県庁や市役所自体が分からない。/morita
・バイオ燃料と化石燃料の価格競争では、今は(瞬間風速として追いつくことはあるが)バイオ燃料は まだまだかなわない。しかしバイオ立上げには植物育成も含めて数十年かかるので、20年スパンで実用化、を目指すのが合理的であろう。早過ぎる実用化で討ち死にさせてはならない。また立ち上げが遅過ぎて、石油高騰に間に合わなくなるのも愚かである。世紀的なスケジューリングが必要。/sano


---007-0601終.