◆地球温暖化CDMフォーラム2003報告会◆
→(2003.8/25)→HP007-0308c<<NEW>>
恒例のCDM案件の、調査報告会です. (報告者=佐野)
[時・所]''03.8/25 メルパルク大阪; 8/27 イイノホール東京
[主 催] 環境省・地球環境センター(GEC)
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[概況] 昨年のCDM調査案件は8件、そのうち6件はバイオマスに関連であり(廃棄物処分も入れれば7件)、排出枠クレジットを獲得するCDMは、バイオマスに強く傾斜しているといえる.国外で実質的に炭素排出権価格が実現すれば、国内バイオマスの化石代替寄与にも、価格評価せざるを得なくなるだろう.
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基調講演
1.「CDM/JIに関する国際的動向とわが国の対応状況」牧谷邦昭(環境省地球環境局地球温暖化対策課国際対策室長)
COP7において京都議定書の運用催促(マラケシュ合意)が採択され、CDMなど京都メカニズム取組が進展した(CDM理事会発足、CDM認定パネル・方法論パネルも設置). 環境省も下記の施策を実施している.→
www.env.go.jp/earth/ondanka/mechanism/index.html
(1)温暖課対策クリーン開発メカニズム事業調査: GECに委託、本年は20案件のFSを採択した.
(2)CDM認証モデル事業: GECに委託、9月以降に審査期間&事業調査案件の募集.
(3)CDM/JI設備補助事業(新規) :実現性や費用効果が高いとみとめられた案件を1/3補助へ.
(4)京都メカニズム活用ファンド(新規) :優良な事業へ支援、排出削減クレジット獲得へ支援.
(5)CDM/JIに関する途上国人材育成支援事業(新規) :受入れ国ニーズに合わせてWS開催・専門家派遣・研修員受入れ.
2.「動き出したCDM−現状・課題・将来展望」 松尾直樹(Climate Express代表)
CDM認証には、validationとverificationとを行うOE機関に15社が立候補しており、ほどなく稼働する.CDM理事会により承認されたCO2排出の「ベースライン」「モニタリング」が実施者に課せられる.排出削減のロジックには数式表示が求められる.この実施手続きは厳しいが、小規模CDM(15MW以下の再生可能エネルギーなど)には、簡易化が許される.
排出権or 排出枠がCERクレジットという形で「共通通貨」化するのは時間の問題である.普通の収益性のあるprojectも、additionalにCDM部分を付加して、クレジットを獲得することも可能である.日本排出量の1%=12MtCO2/y、であることを考慮すれば、大きなビジネスになり得る.
3.「CDMフィジビリティ調査結果のまとめと具体化に向けた課題」平石伊彦(地球環境戦略研究機構)
環境省の「温暖化対策クリーン開発メカニズム事業調査」も5年目である.特に植林関係でのprojectノウハウ蓄積が大きい.これからバイオマスや自然エネルギー活用が増加しそうである.今回8件の報告を見ても、排出削減のロジックや受入国貢献度表示などは洗練されてきている.
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報告
1.ブルガリア;バイオマス利用及び高効率ボイラ採用による地域暖房システムの実証調査
/海外環境協力センター
ブルガリア森林資源は、国内の全エネルギー需要をカバーできる量があるが、枝・灌木・木屑など全く利用されていない.これらをビル暖房に用いるのが狙いで、ハスコボ市庁舎や学校に小型熱分解ボイラ(熱効率75〜85%)を導入する調査を行った.290t/年の廃材や小枝をペレット化あるいはブリケット化して、安定供給すると、薪より30%高値、軽油より半値と試算.
2.マレーシア;パームオイル工場のメタン排出削減技術と固形廃棄物利用に関する調査
/エックス都市研究所
特産品パームオイルの精製廃液は2/3がラグーンで嫌気性発酵してメタンとして放出されてきた.これを密閉消化タンクにて収集し燃焼発電する.1MW、30%発電効率でとして27万t-CO2/10年削減になり、CER=5$/t-CO2 が取得できる.また、果房からの油抽出粕=EFB(殻房)も野積み廃棄されてきた.これを火力発電に使うと.全部で38万t-CO2/10年削減になるが高価になる.
3.マレーシア;椰子殻発電事業からの炭素クレジット獲得プロセスの実態調査
/三菱証券
現地のBBP社は6MWの椰子殻火力発電を計画している.この国の電源CO2排出係数は0.48kg/kWhなので、2万t-CO2排出削減に相当する.事業発生CO2を差し引いて、14万t-CO2/7年、となる.資本投入にタイする費用効果比は、\1200/t-CO2,と見積もられる.なお、本件の燃料は、現在投棄・焼却されている空果房を当て込んでいる.
4.ベトナム;排出権獲得のための民間資金を活用した環境植林CDM事業化調査
/日商岩井総研
ベトナムの森林率は半世紀で43%から28%に減少した.500万ha造林計画があるが難航している.CDMを使って、3.8万haの環境植林をA
Luoi郡をモデルに導入する企画.松は虫害を受け易く、アカシアマンギウムが適種である.project期間を7年か10年、幹の成長量=13m3/ha年、CO2単価7$/tでは成立するが、5$/tでは不成立となる. 植林コスト($/ha)は、2〜4$で、ブラジルや豪州の10〜15$より大幅安いのが、有利な要因の一つである.
5.インドネシア;東カリマンタン州&東ジャワ州における植林事業調査
/住友林業
インドネシアは60%の森林率、160百万haの熱帯林を誇るが、森林破壊が顕著である.サマリンダ付近、およびスラバヤ付近にCDMによる植林を目指す.CO2シンクとして認められるのが50年間非林地域、という制限は、再植林には厳しい障害になる.project期間・クレジット期間は21年.植林は初期投資が大で、伐採期までが長いと▼無収入、▼虫害や火災リスクが大きい問題がある.そこで樹種は早生種(8年で成木)のファルカータを予定し、木材資源化をはかる.
6.インド;廃糖蜜等からのエタノール燃料の製造に関する調査
/新日鉱テクノリサ-チ社
インドはブラジルと並ぶ巨大産糖国である.副産物のモラセス(廃糖蜜)、バガス(絞り粕)を原料にエタノール(ガソリン代替用)を生産するCDMの企画である.マハラシュトラ州ワラナ協組は現在、少量の食用エタノール生産を行っている.廃糖蜜からは1万t/年エタノ−ル が生産可能である.バガス資源も使うと倍増できるが、単価は1.7倍になる.
7.タイ;廃棄物処分場から発生するメタンガスを利用した発電事業性調査
/大林組
ノンタブリ県に建設中の衛生埋立地をモデルとして、水平井戸によるLFG(埋立発生メタンガス)の蒐集と発電(約1MW)利用を検討した.埋立開始〜終了は2003〜2006年、ごみ搬入量=30万t/年、埋立層=9層,30m厚さ.CO2削減評価は、1)メタン排出防止量=50万t-CO2相当/10年、2)火力発電代替=5万t-CO2/10年、である.コスト計算には、まだLFG買い取り料や土地借料など未算入.
8.サモア;南太平洋島嶼国・小規模CDMproject計画書作成支援調査
/パシフィックコンサルタンツ社
サモア(人口10万人)に太陽電池導入(現在は石油、ジーゼル発電依存).略.
討論&コメント:廃材や小枝などをペレット化燃料として供給するシステムの成否は、集荷輸送コストの高低にかかっている.(日本では高過ぎる).途上国ではどの程度安くなるのであろうか.
「パ-ム果房の水分はwetバイオマスの領域か?」→「65〜70%含水.乾燥して50%以下にして燃焼発電の予定」. 高水分バイオマス乾燥用のエネルギーやコストの収支については、課題がある.また、小規模火力発電は低効率になり10MW以下ではなかなか困難、という相場があるので、途上国でもその問題はつきまとう.
バガスは前処理(糖化)が必要で、糖蜜エタノールより大幅高価になりそう.また、灰分にカリが多く、発酵障害の恐れがある.
---007-0308c終.
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