「資源循環・エネルギーミニマム型システム技術」報告会→007-0307b
―森を活かして地球を守る―
[主催] 科学技術振興事業団、戦略的創造研究推進事業
[時、所] 2003.7/25(日本科学未来館)
紹介者=本庄孝子: 森林による炭素固定システムの活用と、森林資源循環システム の戦略的推進事業ですので、目先実用化には遠い案件が多く含まれています.―
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1. 乾燥地植林による炭素固定システムの構築
(信州大)山田興一(阪大)江頭靖幸
オーストラリアでの植林(年間降水量300-400mm)、▼ハードパン(岩石のような堅い土壌)の破砕、☆異なる水条件(灌水頻度)、☆大規模集水・大規模植林など8つのサイトで実験。
水と成長率:y=4.96×10−6x1.5
経済性=15,000円/t・C(人件費込み)、 ◎エネルギー的に40倍カーボン固定可能.
緑のプラットホームの概念、データベースで自分で計算できるようにする.
2.シベリア森林火災による温暖化への影響とその抑制法の開発
(北大)福田正己
世界の森林の30%、CO2吸収源(5億ha)を占めるタイガの中にステーションをつくって観察(フィールド情報学).
▼昨年1100万haの森林消失。→「北方森林吸収=7億t/y」と言われるが、吸収か放出か怪しい。☆1.原因究明、☆2.将来予測、☆3.放出抑制、をする。
▼火災に伴うCO2放出:400カ所/日発生、1回の火災で41t/ha放出、衛星写真(分解能30cm)を用いる。
▼凍土中のメタンガス放出:過去数万年かけてメタン生成、閉じこめられている。☆攪乱による温暖化ガスの放出と将来の温暖化への影響。
3. 高リサイクル性を有する森林資源の開発とその発生機構の解明
(九大)小名俊博
ユーカリ:広葉樹植林の50%、☆高リサイクル性を有する個体(樹木)の選抜、クラフトパルプ:リサイクルすると径小さくなり形状比大きくなる。☆高リサイクル性を有する樹木の迅速・非破壊的な選抜方法を考案.
4. 高リサイクル性を有するアカシアパルプ繊維の特性
(東京農大)岡山隆之
古紙利用率60%目標.3種類のアカシアで実験、リサイクル処理による☆物理特性(引っ張り強さ)評価に指数関数による回帰式を。リサイクル前のパルプの膨潤性、繊維形態(繊維径、繊維壁膜、ルーメン直径)と比較的良い相関.
5. LCA手法による紙資源の循環型社会システムの構築
(科技振興事業団)中澤克仁
☆植林・栽培における設定条件、☆各種パルプ上質紙におけるCO2排出量、☆パルプの配合率とCO2排出量の関係 ☆再生可能資源(木材)の消費と化石燃料資源消費のトレードオフ関係、市民に向けたコミュニケーション.
6. 森林 その循環系を材料へ −林業と化学工業の新しい接点−
(三重大)船岡正光
リグニンを工業的に幅広い製品へ、☆リグニンの分離:常温常圧で、疎水性フェノールから親水性(酸水溶液)へとおす:10-60分撹拌→層分離 リニア型フェノール系リグニン素材(リグノフェノール)白色粉末状で分離.
☆リグニンの機能を制御−分子内スイッチの設計:安定性、流動性、架橋密度のコントロールできる。
☆リグノフェノールの新しい機能活用法:セルロース複合系、酵素複合系、金属複合系、電子伝達系、光応答複合系、複合系循環制御など →この研究に関連した木材プラントが北九州(荏原)で. リグノフェノールは大きく分けて☆針葉樹系、広葉樹系、草系の3つがあり、それぞれの系内ではほとんど違いなし。
7. プロトプラストが分泌する巨大カロース繊維
(九大)近藤哲男
木材のプロトプラストに☆ストレス(圧力、高濃度カルシウムイオン)をかけると、約2ヶ月後、細胞外に巨大繊維状物質を分泌、生産速度:0.3?m/min、長さ数百ミクロン、幅20-30ミクロン. シラカバの葉由来のプロトプラスト、☆pH 3.5-5.7 各種イオン(Na+、K+、Ca2+、Mg2+)の添加量(0-500mM).
8. バイオマスからの水素と炭素のコプロダクション
(東大)堤 敦司
☆バイオマス低温ガス化、:重量変化を0.2秒毎に測定、低分子気体(H2,CH4,CO,CO2)放出の経時変化をマス及び、マイクロGCで測定。試料=バガス、セルロース、リグニン.
☆熱分解反応:Ar雰囲気下(水蒸気導入の比較)。遅昇温(2℃/秒)でセルロース:523Kを越えると解重合が起き、CO2,CO, H2,が生成し始め、600Kを越えてから急増し、673Kでピーク。この温度でタールの生成が顕著。973Kで2つ目のピーク(チャーの生成・重合反応)。
☆水蒸気下:水素の生成が700Kを越えたところから増加、700Kまで熱分解と差がない→セルロースの水蒸気ガス化は700Kを越えたところで始まる。
☆リグニン:500Kを越えるとCO2,が生成、引き続きCO, CH4,の生成。773Kを越えると水素の生成量急増、CO, CO2,の生成は見られず(チャーの縮合反応が進んで余剰水素を放出)。水蒸気ガス化は823K以上で起こる。
☆タールの生成及び分解機構:セルロース:673Kでガス化。タールの元素組成=時間の経過に伴い炭素割合増加、酸素割合減少するが、組成はセルロースと大差ない(IRスペクトルもよく似ている)。ガス化でのタールは重合度の低くなったセルロース(コメント:レボグルコサンか?/sano.)。
重量減少は20秒後から始まり、60秒で完結、このときチャー成分はセルロースとほとんど同じ。その後、チャー重量はほとんど変化せず、115.2秒で元素組成が大きく変化(脱水反応進行)。タールの放出が完結したところで固体残渣の脱水反応が始まり、タール→チャー化。
◎従来:燃焼(非平衡反応)→エクセルギーの損失、今回:低レベルの廃熱を循環し燃焼と混合→エネルギー変換(エクセルギー損失低減)。