バイオマス関連部会・研究会合同交流会
バイオマス利用技術開発の現状と可能性:
    技術から見たバイオマス利用の将来展望

  '02.12/2/日本教育会館・一橋ホール /HP掲載→007-0212
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1.「ストーカと流動層、安定性と経済性」小池浩一郎
バイオマス燃焼炉は、規模別に3分類できる.[大]:50MW以上は循環流動床・CHP(コジェネ)になる.70%含水チップも燃やせる(ストーカ炉では50%まで).燃料は複数収集・混焼になる.ボイラ価格は重油用の3.5倍(日本では9倍).排煙凝縮器で水蒸気潜熱まで回収. [中]:MW未満、110-140℃,4-6気圧温水ボイラ、排煙は170℃ていど.[小]:家庭用燃料は輸送・制御容易なペレット(斜め供給式)で暖房用/sano.

2.「森林バイオマスエネルギー利用のポテンシャル・あるべき方向」堀尾正靫
日本の森林は国土の67%.だが2000年の林材生産/年=7.2Mt、林地残材=2.2Mt,間伐材2.1Mt、全エネ需要の2%未満である.バイオマスpotential評価に近年の林業データ(shrinkした結果値)に依拠してはダメ(過去最高実績値では1967年25Mt).
 政府はCO2吸収源として、保全林(人工林の8割+天然林の4割)を1.8t/ha年成長してその半分を蓄積するとみなしたが、これは非定常的判断である(表あり).
 [国内林業コスト] 伐採・搬出・プロセシングコストを試算:\13万/t.これでは外材に圧倒される.人件費a 林業機械運転費b に区分し,比較(表)すると、
  搬出a>搬出b≒プロセッサb>プロセッサa>伐採a>輸送費>Bundling>伐採b
丸太価格は\2〜3万/t、として現在は赤字だが、演者が個別に削減して黒字化する試案を提示した.林内搬送を支配する林内路網は、平均で13m/ha(オーストリア 60m/ha)と少ない.その林道建設費は\10〜20万/mだが、高知県の簡易林道例では\2000/mであり、改善余地大きい.すなわち簡易林道整備で森林資源量は急増できる.
 [林外輸送] 輸送コストが高ければ、林地残材等は放棄され、木質バイオマス資源は製材所廃材に限定される.また集荷量が小さければ低効率発電しかできず発電コストは高騰する.吉岡試算では発電率12%,集荷距離40kmとして電力価格中燃費が\15〜44/kWhとした.演者は発電率40%級の火力へ混焼供給することで、この制約を解除することを示した.
コメント:バイオマス・ネック打開における最近の最も強力な提言である/sano.

3.「メタン発酵、現状、課題」/澤山茂樹
法的な追い風としては、1)1999の家畜排泄物の管理・利用促進法、2)'01の食品廃棄物リサイクル法、3)'02のRPS法で再生可能資源発電買い上げ、4)ロンドン条約1996による海洋投棄禁止、5)エコタウン事業による地域リサイクル助成、などがある.
 NEDOプロジェクト「バイオエネ高効率転換技術開発('01-05)」では、メタン発酵関連には2段発酵と水素発酵とが採り上げられた.対象は、食品工場廃水、下水汚泥、汚泥再生センタ(し尿・生ゴミ系)、エコタウン系の食品廃棄物・畜産廃棄物.
 実用化新技術としては、鹿島建設によるメタクレス:55℃発酵を無機繊維筒担体で生ゴミ80%分解達成.タクマ−京都の乾式高温発酵(水分<50%,55℃)は栓流横型タンクを紹介.
 利用は、発電、ボイラ熱利用、都市ガス混入(1999, 長岡市浄化センタ→北陸ガス)がある.都市ガスに合わすためには高度脱硫や脱炭酸が必要になる.
*下水処理場=1800カ所中、メタン発酵=300カ所、発電=20カ所;低ガス化率<50%.
*食品ゴミ: 易分解、高ガス化率=70-80%, 有機分10%,N分0.5%
*畜産廃棄物: 有機分3-7%,N 分0.7%, P分0.3%.
 今後の課題は、発酵残渣で、1)液・残渣の浄化、2)液・残渣の農地還元、3)肥料への加工・販売(特に国内外へ移動の自由化).
 他に、熱分解前処理可溶化、LUSAB法による脱ン・脱P発酵などが紹介された.
コメント:電力にはRPS法による買い取りがあるが、ガスにはまだない/sano.

4.「バイオマスアルコールの生産技術、現状、将来」森川康
原料を糖類からセルロ-ス系(巨大量)へ.各種原料の組成表(セル、ヘミセル、リグニン、灰分).(cf.既アルコ-ル:ブラジル10Mkl/サト-キビ、米国:5.5Mkl/コ-ン).
[前処理] 蒸煮爆砕250℃:ヘミセル→可溶化.希硫酸200℃:ヘミセル→可溶化.高温煮230℃:ヘミセル→可溶化.超臨界:セル→可溶化・分解.
[セルラ-ゼ、糖化、発酵]高価.生産菌はT.reeseiに絞られた.糖化はpH5,50℃;並行発酵で糖除去し糖化を促進のこころみも.5炭糖同時発酵=未完成.
[酸糖化] 希硫酸1%・185℃・3〜20hr.米国とNEDOで.アルケノル社:ワラを酸2段法.BCI Proj.:バガス・ワラを酸2段法で、5炭糖を別発酵で収率向上.
[日本の開発proj.]  RITEら'00〜04:古紙→酵素糖化→有機酸回収、農水系'01〜05:酵素法、NEDO-アル協'01〜05:木質を酸糖化、濃縮脱水に膜を使用/sano.

5.「超臨界流体を用いたバイオマス利用技術の現状と展望」松村幸彦
バイオマス水分が80%を越せば、燃焼熱は水蒸発熱を下廻る.非蒸発熱処理が超臨界の利点.臨界点は水(647K,22.1MPa)、メタノール(513K,8.1MPa).セルロースは溶解し、生成グルコースも分解し炭化・油化も伴うが、触媒的にメタンとCO2を生成する.油脂は、超臨界メタノールで脂肪酸メチルとなり、代替軽油を得られる.リグノセルロース(木質)のメタノール処理では、リグニンが残渣となる/sano.
 
6.「天ぷら鍋から燃料へ・バイオディーゼル燃料」山根浩二
植物油の軽油混合使用は可能であるが、高粘性・目詰まり・低セタン価などのため忌避される.メタノール化して性能改善したものをバイオディーゼル油(BDF)という.原料油脂は、欧米ではVirgin油(米:大豆、欧:菜種)を利用するが、日本では余剰農産物がないので、廃油(集荷)を用いる.
 BDF軽油利用は、混合率5%,20%,100%などが用いられる.日本は規制が多い/sano.

7.パネル討論会
*バイオマス・ニッポン状況の紹介.エネルギー資源開発・循環環境保全・地域振興などの目標が混然一体?となっている.大きな問題点は利用にスケールメリットの大きいものが多く(例:発電)、効率向上と集荷・輸送の負担とがtrade-off関係を形成している.
*日本バイオマスが需要の5%、というのは目前のエネ資源だけを見ての話.休耕田・放棄林などを見よ.
*資源拡張のネックは収穫・搬出だ.
*バイオマス利用の盛んなオ-ストリアの森林率は0.4ha/人、利用の全くだめな日本は0.2ha/人だ.日本でも5-15ha/人(中山間地域)はある地域ならば,できるはず.
*エネルギー自給度をあげるのにバイオマス利用は必須.環境保全にもなる.だが日
本林は熱帯林などに比べて生産性が劣り、将来はバイオマス資源輸入も検討すべき.
*日本バイオマスのMaterial balanceをやって見て、資源はそこそこありシステム改
革が必要と感じた.
*地域振興をやろうにも山林経営者の高齢化が甚だしい.
*山の所有法を整備し、やる気のない森を召し上げ山林基本計画をしなければ.
*日本の森林では1957に木炭生産がピークで以後低落.森林生産性(今3.3m3/年)も老化林が増加して低落.ニュージランドなどは8.6,九州南部では18,という所もあるのに.
*高校で、環境科学が必修に近い扱いを受けてりる.総合学習でぜひバイオマスを.
*バイオマス・ニッポンに労働省が抜けている.バイオ・ボイラ規制緩和に障碍になる.
*日本食用油は65万t/年(軽油需要の1.5%)、そして食用廃油は4万t/年に過ぎない.
*町の油ボイラなど発電しない燃料需要もかなりあり、バイオマスは小規模発電不向きだと諦めるのでなく、やれるところがあるのだから入れよう.
*木質ペレットを作っても零細メーカは自力で市場開発までできず倒れる.バイオエネ市場を作ろう、5%の壁を越えるには.市場創成へ補助金なら意味がある/sano.
---合同セミナ終