エルミア・ウッドは,スウェーデン南部のイェンチェピング市郊外で
4年に1回開催される林業機械展示・実演会であり,同時に大規模な商談の場でもあります。今回は,2001年6月6日から9日にかけ,ブラッテボルグの森林約1,000haを会場として開催されました(期間中に,実演により伐採される材積は4,000m3以上が予定され,前回(1997年)には489社の展示社と約54,000人の来場者を集めた世界最大級の展示会です)。この展示会に出展された機械のうち,ここでは,スウェーデンをはじめとする北欧諸国においては既に実用化されている,森林バイオマス(丸太生産時に発生する枝葉や梢端部などの林地残材)生産・収穫専用機械を中心に紹介いたします。
1.1
森林バイオマス圧縮・整形機械[参考資料1,2]
この機械は,森林バイオマスを丸太のように圧縮・整形するもので,これにより,森林バイオマスの密度が向上するとともに,トレーラーなどによる輸送を,丸太と同様に行うことが可能になります。バンドリング・マシン(
bundling machine),ベーラー(baler)などと呼ばれています。・
WoodPac社(WoodPac AB)製WoodPac 800が,森林バイオマスを残材丸太(residue logs)に圧縮・整形した後に,フォワーダでターミナルまで運搬し,トレーラーでエネルギープラントまで輸送します。
・
FiberPac社(FiberPac AB)製→FiberPac 370と残材丸太
なお,この機械に関しましては,参考資料とその日本語訳“吉岡拓如・小林洋司(
2000)スウェーデンにおける林地残材収穫の新技術. 森林利用学会誌15(1):83-86.”をご参照下さい。
1.2
森林バイオマス粉砕・運搬機械この機械は,森林バイオマスを収集しながら粉砕し,搭載されたコンテナに積載してターミナルまで運搬する機械です。スウェーデンなどの平坦地における林業では,森林バイオマスが林地に散在しているので,このような形態の機械が活躍しています。チッパ・フォワーダ(
chipper forwarder)とも呼ばれているようです。 )と粉砕された森林バイオマス
1.3
森林バイオマスの保護スウェーデンでは,丸太の生産は主に夏季に行われますが,森林バイオマスの需要は熱需要の関係から冬季に集中します。したがって,森林バイオマスの生産から輸送までには,ある程度の期間が生じることになります。そこで,その間は森林バイオマスを紙で覆うことにより
,降水から保護するとともに,森林バイオマスの乾燥を図ります。
1.4
通常のチッピング作業スウェーデンに特有の機械ばかりでなく,近年のわが国における環境展やリサイクル展,林業機械展などでも多く見られるようになった,各種チッパによるデモンストレーションも行われていました。
2.Vaxjo Energi AB (010606)
[参考資料3]
上記エルミア・ウッドのエクスカーションとして,最近バイオマスに対する関心が高まっているわが国においても有名な,ベクショー市のバイオマスによるコージェネレーション・プラントを見学してまいりました
。夏季のメンテナンス時期に入っていたため,内部のモニター室なども見学することができましたが,稼動していなかったため,バイオマス搬入の様子などを見ることができなかったのが残念です。
例えば,チップ投入口
に大型トレーラーが横付けして,チップを投入することになると思われます。
なお,プラント内部の構造などに関しましては,カタログ(英語版)をご参照ください。
参考資料(省略)
1: Gert Andersson, "New Technique for Forest Residue Handling", paper presented at Forestry Engineering for Tomorrow, June 28-30, 1999 Edinburgh.
2: Gert Andersson, 吉岡拓如, 小林洋司, "スウェーデンにおける林地残材収穫の新技術", 森林利用学会誌, 15(1), 83-86 (2000)
3: Vaxjo Energi AB, Cataloge for the cogeneration block at Sandvik plant
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ご意見,ご質問は,下記連絡先までお願いいたします。
連絡先:吉岡拓如(よしおか たくゆき)
東京大学大学院農学生命科学研究科森林利用学研究室