◆RITE地球環境国際フォーラム・バイオ分野('01.3/22)◆ <<NEW>>
(報告者=佐野 寛)
[日時] 2001年3/22(木)13〜17:00
[会場] ホテルグランビア京都
[主催者] RITE・NEDO
[事務局] 地球環境産業技術研究機構
今回のフォーラムは、化学分野とバイオ・植物分野とに分かれ、ここは後者のみを紹介する。内容は、主に前年度RITE優秀研究企画に応募した研究の成果発表である。
[講演]
1)植物と生命科学−地球環境問題への貢献
京大(院)生命科学研究科教授 大山莞爾
地球上、最古の陸上植物であるゼニゴケの性染色体を研究、ゲノムlibraryを構築した。性の役割は生産性向上よりも、種の保存に力点があるとみられる。
2)シベリア凍土地帯に温暖化の影響−CO2濃度と気温上昇による炭素流束と光合成の変化
ロシア・アカデミー Dr.D.G.Zamolodchikov
温度上昇によってツンドラや低木帯では光合成も呼吸も増進するが、呼吸の方が増進率が高く、しばしばCO2ソースになる。土壌有機物の呼吸CO2発生は深さ12cmほどにピークがある。
Q:ツンドラ地上部を加温,地下を冷却できればよりCO2シンクになるのでは?
A:興味深い提案を聞いた。
3)乾燥塩害地域の植生再生へ向けて−DNAマ-カを用いた耐塩性ユ-カリ育種の選抜
豪・Flinders University of SA. Assoc.Prof. S.D.Tyerman
南Australia マレ-川流域では農地の砂漠化が進んでいる。地下塩水の上昇で木が枯れる。その中で発見された耐塩性ユ-カリは,葉の蒸散が少ないため根の周囲に塩水を集める度合が少なく,10年に1度の洪水で洗脱するまで持ちこたえる。
Q:この耐塩性は、葉の蒸散抑制に依存しているのか?
A:耐塩性にはいろんな要素が絡んでいて一義的には言えない。
4)大気中CO2の有効利用−光合成を応用した再生可能な水素の製造
米・Oak Ridge National Lab. Gr.Leader Dr.E.Greenbaum
Biophotolysisで水を光分解して無CO2でも水素と酸素とを生成する。光のエネルギー転換効率は実験室的に5〜10%,max12%で、太陽電池なみに迫っている。。
Q:得られた水素・酸素混合ガスの用途は、あるか? 燃料電池用の水素には酸素混合を許容できない。
A:膜分離などで何とかなるのでは。混合ガスの安全性については、希釈等で切り抜けた。
[コメント/佐野]
興味深い話が多いが本年は基礎研究寄りが多く、バイオマス生産増強やエネルギー取出しに直接役立つ情報は乏しい。バイオマスエネルギーの立場から見ると: 3)の葉の蒸散抑制は、光合成抑制にもつながる恐れが強いと考えられる。4)では、なぜCO2を光固定するチャンスにわざわざそれを避けて水素を作るのか、という疑問が残った。
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